愛知県の40代の男性は、セラミック製造業の正社員として3年半働いてきましたが、新型コロナウイルスの影響で8月下旬に解雇通告を受け、9月下旬に仕事を失いました。
男性は、会社から解雇理由説明書を渡され、この中には「コロナ禍で一部の事業を縮小せざるを得ないこと」と書かれていました。
男性は高校を卒業後、社会人になってから製造業の現場で誇りをもって働いてきました。まさか仕事を失うとは、想像していなかったといいます。
男性は「解雇と言われて頭が真っ白になりました。自分はものづくりが好きで、ずっと製造業でやってきました。まさか自分が仕事を失うことになるとは思いませんでした」と話していました。
男性は現在、ハローワークに通って仕事を探していますが、なかなか見つかりません。
実家で高齢の両親と暮らす男性は今後、家族に病気などがあればまとまったお金が必要になり、仕事が見つからない状況が続く現状に不安を感じています。
男性は「相談に乗ってもらって少し不安が和らいだが、求人は少ないですし、コロナの影響は大きく、厳しいじゃなくてものすごく厳しいと感じます。製造業の現場でずっと来たのでできれば同じ業界でと思っているが、少し視野を広げて、両親を安心させるためにも1日も早く仕事が見つかればと思っています」と話しています。

新型コロナ影響の失業者 7万人超える 厚生労働省
新型コロナウイルスの影響で仕事を失った人が、見込みも含めて全国で7万人を超えたことが、厚生労働省がハローワークなどを通じて行った調査で分かりました。仕事を失った人は、実際にはさらに多いとみられ、厚生労働省は再就職に向けた支援を進めています。
厚生労働省は新型コロナウイルスの感染拡大で業績が悪化した企業などから、解雇されたり、契約を更新されない「雇い止め」にされたりしたケースについて調査しています。
それによりますと、ことし1月末から今月6日までに、解雇や「雇い止め」で仕事を失った人は、見込みも含めて7万242人となり、7万人を超えたことが分かりました。
全国のハローワークなどで把握できた人数であるため、仕事を失った人は実際にはさらに多いとみられます。
新型コロナウイルスの影響で仕事を失った人は、ことし5月21日に1万人を超えた後、8月31日に5万人、9月23日に6万人を超え、その後も増え続けています。
また、先月30日時点のデータを業種別でみると、
▽製造業が1万2979人、
▽飲食業が1万445人、
▽小売業が9378人、
▽宿泊業が8614人、
などとなっています。
新型コロナウイルスの影響で、仕事を失ったパートやアルバイトなど非正規雇用で働く人は、ことし5月25日から先月30日までで、見込みも含め3万3692人となっています。
厚生労働省は「雇用調整助成金」などを積極的に活用し、企業に雇用を維持するよう呼びかけるとともに、再就職に向けた支援を進めています。
愛知 解雇で休職中の男性は
三重 鈴鹿 解雇された外国人は
三重県鈴鹿市に住むペルー人のパオラ・渡辺さん(41)は、エアコンの基板を製造する四日市市内の工場で働いていましたが、ことし9月、解雇されました。
日系ブラジル人でトラックの運転手をしている会社員の夫と11歳の娘と3人で暮らしていますが、生活は苦しく、鈴鹿市が自動車学校に委託し開いているフォークリフトの運転技能講習会に参加しました。
パオラさんは、同じ鈴鹿市に住むペルーやブラジル出身の人たちと一緒に通訳付きの座学と実技講習の合わせて5日間でフォークリフトの扱い方を学びました。
パオラさんは「新型コロナウイルスの影響で仕事が減り、クビだと言われました。生活に困っています。講習の費用を行政に出してもらって本当に助かります。資格を得てもっといい仕事を見つけたい」と話していました。
日系ブラジル人でトラックの運転手をしている会社員の夫と11歳の娘と3人で暮らしていますが、生活は苦しく、鈴鹿市が自動車学校に委託し開いているフォークリフトの運転技能講習会に参加しました。
パオラさんは、同じ鈴鹿市に住むペルーやブラジル出身の人たちと一緒に通訳付きの座学と実技講習の合わせて5日間でフォークリフトの扱い方を学びました。
パオラさんは「新型コロナウイルスの影響で仕事が減り、クビだと言われました。生活に困っています。講習の費用を行政に出してもらって本当に助かります。資格を得てもっといい仕事を見つけたい」と話していました。
鈴鹿市は緊急対策事業も
製造業が集まる三重県鈴鹿市は、雇用情勢の悪化を受けて緊急の雇用対策を打ち出し、職を失った人たちへの支援を進めています。
鈴鹿市と亀山市を合わせたハローワーク鈴鹿管内は、有効求人倍率がすでに5月から1倍を下回り、9月の有効求人倍率は0.85倍でした。
こうした状況を受けて、鈴鹿市では独自の仕事情報サイトを新たに開設するなど、先月から市独自の緊急雇用対策事業を打ち出しています。
サイトは8000人以上暮らしている外国人に対応するため、ポルトガル語とスペイン語、英語の3か国語に対応するようにしました。
また、再就職に役立つ技能を習得するための講習会に参加するための費用を全額、市が負担する事業も始めています。
このうち、フォークリフトの運転技能講習と、クレーンのフックに荷物をかけたり外したりする作業の技能講習にはポルトガル語の通訳がついていることから、鈴鹿市は雇用情勢の悪化するなかで失業した外国人に講習を活用してほしいとしています。
鈴鹿市産業政策課の長谷川徹課長は「技術を身につけることで就職が有利になり、その後の雇用も安定すると思う」と話していました。
鈴鹿市と亀山市を合わせたハローワーク鈴鹿管内は、有効求人倍率がすでに5月から1倍を下回り、9月の有効求人倍率は0.85倍でした。
こうした状況を受けて、鈴鹿市では独自の仕事情報サイトを新たに開設するなど、先月から市独自の緊急雇用対策事業を打ち出しています。
サイトは8000人以上暮らしている外国人に対応するため、ポルトガル語とスペイン語、英語の3か国語に対応するようにしました。
また、再就職に役立つ技能を習得するための講習会に参加するための費用を全額、市が負担する事業も始めています。
このうち、フォークリフトの運転技能講習と、クレーンのフックに荷物をかけたり外したりする作業の技能講習にはポルトガル語の通訳がついていることから、鈴鹿市は雇用情勢の悪化するなかで失業した外国人に講習を活用してほしいとしています。
鈴鹿市産業政策課の長谷川徹課長は「技術を身につけることで就職が有利になり、その後の雇用も安定すると思う」と話していました。