企業の請求書処理 電子化で脱はんこなどの動き広がる

新型コロナウイルス対策でテレワークが広がる中、企業の間では決裁や請求書の処理を電子化し、はんこを押すことや紙の請求書をなくす動きが広がっています。

このうち、日立製作所は社内の決裁書類に、はんこを押す業務を来年度中に廃止することを決めました。

代わりにインターネット上で誰がいつ承認したかが電子データとして記録される“電子承認”を活用します。

会社では新型コロナウイルスの感染が収束したあともテレワークを活用する方針で、多様な人材が働きやすい環境を整えるねらいがあります。

中畑英信専務は「場所や時間に縛られない働き方をするために出社を前提とするはんこはなくしていく」と話しています。

また、不動産会社の穴吹工務店は、紙の請求書をなくす電子化に踏み切りました。

これまでは年間に2万通届く請求書を社員が処理していましたが、ことし6月にネット上で請求を受ける新たなシステムを導入しました。

専用のサイトに取引先が金額などを直接入力して請求するシステムで、会社では1200社余りの取引先に協力を求め、およそ98%の請求処理を電子化できたということです。

担当した吉上幸治さんは「テレワークでも処理ができ、紙ではなくデータなので保管の手間もなくなった。取引先も請求書を封筒に入れるコストが減ったのではないか」と話しています。