新型コロナの症状100種類以上 AIで世界の論文を解析した結果

世界中の新型コロナウイルスに関係する論文、およそ20万本をNHKがAI=人工知能を使って解析したところ、新型コロナウイルスの感染で、これまでに少なくとも100種類以上の症状が報告されていることが分かりました。

NHKは、今月初めまでに世界中で公表された新型コロナウイルスに関する英語の論文、およそ20万本をAIに学習させて分析するプロジェクトを進めてきました。

その結果、新型コロナウイルスに感染した際の症状は、肺炎や発熱などのほかにも味覚障害やドライアイ、それにじんましんなど、全身で少なくとも116種類が報告されていることが分かりました。

中でも、論文での報告が多かったのはめまいや記憶障害、それに幻覚など脳や神経に関する症状で、30種類余りありました。

このうちイギリスのグループの論文では、重症患者の脳の画像を分析した結果、呼吸や睡眠などをつかさどる「脳幹」という部分に炎症が起きていたと報告されていました。

国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの長谷川秀樹センター長は「感染症の二次的な症状で、これほど種類が多いのはあまり聞いたことがない。ウイルスが原因で起こるのか精査が必要だと思うが、今後、研究が進むことで全体像が明らかになることを期待している」と話しています。

詳しくは、8日夜9時から放送のNHKスペシャル「新型コロナ全論文解読~AIで迫るいま知りたいこと~」でお伝えします。