WTO 新事務局長選出の会合 延期を発表 トップ不在長期化か

貿易紛争の解決などにあたるWTO=世界貿易機関は韓国とナイジェリアの2人の候補から新しい事務局長を選出する会合を今月9日に開催する予定でしたが、これを延期すると発表しました。多くの支持を集めるナイジェリアの候補を選ぶことにアメリカが反対の立場を続けているためとみられ、トップ不在の状況が長期化するおそれが高まっています。

スイスに本部をおくWTOの新しい事務局長の候補は、韓国の産業通商資源省のユ・ミョンヒ(兪明希)通商交渉本部長と、ナイジェリアのンゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相の2人に絞り込まれています。

WTOの事務局は先月28日、オコンジョイウェアラ氏が多くの加盟国の支持を集めたとして事務局長に推薦しましたが、アメリカが貿易に関する経験が豊富な韓国のユ本部長を選ぶべきだと主張し、加盟国の意見はまとまりませんでした。

WTOは今月9日にすべての加盟国が参加する一般理事会を開いて新しい事務局長の選出を目指していましたが、直前の6日になって、開催を延期すると発表しました。

具体的な理由は明らかにしていませんが、関係者によりますとアメリカが立場を変えておらず、このまま会合を開いてもWTOが原則とする加盟国の全会一致が見込めないためとみられます。

WTOは前の事務局長が任期途中のことし8月末で退任していて、トップ不在の状況が長期化するおそれが高まっています。