娘への性的暴行罪に問われ1審無罪の父親 2審の懲役10年確定へ

実の娘に性的暴行をした罪に問われた父親に1審で「娘は抵抗できない状態ではなかった」として無罪が言い渡されて大きな波紋を呼んだ裁判で、最高裁判所は被告側の上告を退ける決定をし、懲役10年とした2審の判決が確定することになりました。

50代の男の被告は、3年前、愛知県で19歳だった娘に性的暴行をした罪に問われて無罪を主張しました。

1審の名古屋地方裁判所岡崎支部は「娘の同意がなく中学2年生の頃から性的虐待を続けた」と認定したものの「娘は著しく抵抗できない状態だったとは認められない」として無罪を言い渡しました。

一方、2審の名古屋高等裁判所は「娘は性的虐待を受け続けたうえ父親から学費や生活費の返済を迫られるなど、要求を拒否できない心理状態だった。性欲のはけ口にした卑劣な犯行で被害者が受けた苦痛は極めて重大で深刻だ」として、1審を取り消し懲役10年を言い渡しました。

これに対し被告の弁護士が上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の宇賀克也裁判長は6日までに退ける決定をし、懲役10年の判決が確定することになりました。

この裁判の1審判決は、娘が同意していないと認めながら無罪としたことから大きな波紋を呼びました。

刑法の要件が厳しすぎるため性的暴行の加害者が罪を免れているとして被害の実態を訴える「フラワーデモ」という抗議活動が広がるきっかけとなり、法務省で性犯罪の要件の見直しが議論されています。

被害女性「そっとしておいてほしい」

被害者の女性は弁護士を通じてコメントを出しました。

女性は「起訴から丸3年かかりました。とても長かったです。ずっとつらい日々でした。ようやく終わりました。でも、今は、私をそっとしておいてほしいのです。詳しいコメントを出せるだけの精神状態ではありません。今まで支援して下さった方々には心から感謝しています」とコメントしています。