日本製紙 釧路工場での紙の生産 来年夏に終了へ 国内需要低迷

大手製紙メーカーの「日本製紙」は、100年前に操業を始めた北海道の釧路市にある工場で行っていた新聞や雑誌向けの紙の生産を、来年夏に終了すると発表しました。デジタル化や新型コロナウイルスの感染拡大の影響で国内需要が低迷しているためで、およそ250人の従業員については、雇用を維持する方針です。

紙の生産を終了するのは、釧路市にある日本製紙の釧路工場です。

100年前の大正9年に操業を始めた釧路工場は、新聞や雑誌向けの紙の生産を続けていて、現在の生産能力は、年間22万トンに上ります。

しかし、デジタル化の進展に加えて感染拡大による経済活動の低迷で、国内需要が急激に落ち込んだため工場内で行っている発電の事業を残し、来年8月に紙の生産の終了を決めました。

工場で紙の生産を行っていたおよそ250人の従業員は、ほかの工場に配置転換するなどして雇用を維持する方針です。

日本製紙では「今後も需要減少が進んでいくと想定しており、今回の決定で、一層の収益の改善を進めていきます」とコメントしています。