アメリカ大統領選 開票は大詰め 緊迫した状況も

アメリカ大統領選挙は、投票日から2日たっても開票が続いていて、激戦州の中西部ミシガンなどを制したバイデン前副大統領が、当選に必要な選挙人、270人の獲得に近づいています。西部アリゾナやネバダなどの開票の行方によってはどちらの候補者が勝つかの大勢が決する可能性があり、大詰めを迎えています。

3日投票が行われたアメリカ大統領選挙はトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領が激しく競り合っていて、開票作業は5日未明、日本時間の5日午後になっても続いています。

アメリカのABCテレビは4日、勝敗の行方を左右するとされる激戦州の中西部ウィスコンシンとミシガンでバイデン氏の勝利が確実になったと伝えました。

選挙に勝利するには、全米各州に割りふられた選挙人の過半数の270人を獲得する必要がありますが、これまでに獲得した選挙人の数はトランプ大統領が214人、バイデン氏が253人となり、バイデン氏が当選に近づいています。

残る激戦州のうち、注目されているのが西部アリゾナとネバダ、それに南部ジョージアで、この3州のいずれか2つをバイデン氏が制すれば当選に必要な選挙人に達することになります。

バイデン氏は4日、記者会見し、勝利宣言ではないとしながらも、「票の集計が終了すれば勝者になると信じている」と述べ、自信を示したほか、バイデン陣営は勝利を前提に政権移行のためのホームページを立ち上げ、「バイデン政権は就任初日から全力を出せるように準備を続ける」というメッセージを載せました。
一方、トランプ大統領はツイッターに「大統領選挙と制度の信頼性はすでに損なわれた」と投稿し、不正が行われたと主張して選挙の正当性に疑問を投げかけるとともに、今も続く郵便投票の集計の打ち切りを訴えています。

トランプ陣営は4日、激戦州のミシガンとペンシルベニアに加えて南部ジョージアでも、開票作業の透明性が確保されていないとして、票の集計の差し止めなどを求めて裁判を起こしていて、法廷闘争に乗り出しています。

さらに開票の行方が注目されているアリゾナ州では、開票所にトランプ大統領の支持者らが詰めかけて、選挙で不正が行われているという趣旨の抗議をしたため、地元の警察が出動するなど、開票が大詰めを迎える中、緊迫した状況も続いています。

郵便投票の集計を行うよう求めるデモ

郵便投票をめぐって、トランプ大統領が不正があるなどと主張して集計の打ち切りを求めて提訴し、法廷闘争で対抗する姿勢を見せる中、郵便投票の集計を最後まで行うよう求めるデモ行進が全米各地で行われ、参加者は「すべての票を数え終わるまで待とう」などと訴えました。

このうちニューヨークでは4日、中心部に数百人が集まり、「すべての票が大切だ。すべての票を数えよ」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げて行進しました。

集まった人たちは幅広い世代にわたり、「民主主義を守ろう」とか「票を数え終わるまで待とう」などと声を上げていました。

ニューヨークでは大統領選挙後の混乱に備えて警戒態勢が続いていて、今回のデモ行進でもトランプ大統領の支持者との衝突を警戒して大勢の警察官がかけつけました。

参加した男性は、「トランプ大統領は選挙を盗もうとしている。声をあげることで私たちの票を守りたい」と話していました。

ミシガン州 集計作業の確認「定員超え」で口論に

激戦州の1つで、集計が続いている中西部ミシガン州の開票所には、集計作業に不正がないか自分の目で確認しようという市民が大勢詰めかけました。

最大都市デトロイトにある開票所では、集計作業に不正がないか開票台の近くで確認する一般の人たちを「チャレンジャー」として登録を受け付けています。

投票日翌日の4日、開票所には「チャレンジャー」になろうと大勢の市民が集まりましたが、担当者が「定員を超えた」として受け付けを停止し会場の外に出るよう求めたため、それに納得しない市民との間で激しい口論になりました。

開票所内に配置された警察官も出て事態の収拾にあたりましたが、入場を認められなかった人たちは「これは不正な手続きだ」などと口々に抗議していました。

トランプ陣営の提訴にミシガン州で抗議の集会

トランプ陣営が激戦州のミシガン州で票の集計の差し止めを求めて提訴したことを受けて、4日夜、最大都市デトロイトにある開票所前で、若者による抗議集会が開かれました。

開票所前の広場には、200人あまりの若者が集まり、すべての票を集計するよう求めるプラカードや、トランプ政権を批判するメッセージを書いた紙を掲げて抗議の声をあげていました。

集会に参加した女性は、「トランプ大統領はミシガン州での集計を止めようとしているというが、票はすべて集計されるべきだ。それが民主主義の基本だ」と話していました。

また男性の1人は「市民が政治に直接、参加する機会は投票しかないのだから、すべての票が尊重されるべきだ」と述べ、陣営の対応を批判していました。

バイデン氏の得票が過去最多に

アメリカ大統領選挙は今も開票作業が続いていますが、民主党のバイデン前副大統領が一般投票で獲得した票はすでに、およそ7200万票にのぼっていて過去の大統領選挙で最も多い得票数となりました。

背景には、新型コロナウイルスの感染対策のために多くの州で郵便投票の制度が緩和され、1億人を超える有権者が郵便投票を含む期日前投票を行ったことがあるとされます。

連邦選挙委員会によりますと過去の大統領選挙で最も多くの得票をしたのはオバマ前大統領が初当選した2008年に獲得したおよそ6950万票でした。

激戦州などの開票状況は

開票作業が続く激戦州の東部ペンシルベニア州や西部アリゾナ州など合わせて7つの州の選挙管理委員会の責任者などが4日、相次いで会見を開いたり声明を発表したりし、開票作業の進捗状況について明らかにしました。

▽東部ペンシルベニア州の選挙管理委員会の責任者が記者会見を開き、「事前に予想していたとおり、郵便投票の集計に時間がかかっている。まもなく郵便投票の最初の半分の集計を終えるところだ」と述べました。
そのうえで、「まだ数百万票の票が残っていて、今後、数時間から数日かけて順次、開票結果が出てくる」と述べました。
そして、「軍の関係者と国外に居住する有権者の郵便投票の締め切りは10日の火曜日だ。すべての人の票を確実に集計する」と述べ、最終的な選挙結果が確定するまでには時間がかかるという認識を示しました。

▽西部アリゾナ州の知事は、「まだ数十万票の集計が終わっていない。3日から4日にかけて数時間ごとに順位が入れ代わっている」という声明を発表し、集計が終わるまで結果を見守る必要があるとしています。

▽南部ジョージア州は選挙管理委員会の担当者が記者会見し「まだ20万票ほどの集計していない票や、最大で5万票の期日前投票の票が残っている」としたうえで「4日中にひととおりの集計が終わるよう努力している」と述べました。

▽南部ノースカロライナ州は、3日の消印がある郵便投票を12日まで受け付けるため、結果は13日まで確定しないとしつつも、5日の正午までに最初の非公式な集計結果を発表するという見通しを示しました。

▽中西部ミシガン州は「24時間以内に最初の非公式な集計結果が出る見通しだ」としたうえで、最終的な結果は6日までに発表できるという見通しを示しました。

▽中西部ウィスコンシン州は、票差が1ポイント未満の場合は、州の法律によって候補者の申し出により再集計が可能だとしていて、トランプ陣営は、すでに票の数え直しを求めるとしています。

▽西部ネバダ州の選挙管理委員会は3日以降に届いた郵便投票や疑問票以外の集計は終了したとしたうえで、「5日の朝9時まで新たな集計結果は発表しない」とツイッターに投稿しました。