スキージャンプNHK杯 男子は佐藤が初優勝 女子は高梨が連覇

スキージャンプNHK杯 男子は佐藤が初優勝 女子は高梨が連覇
スキージャンプのNHK杯が札幌市で行われ、男子は佐藤幸椰選手が初優勝し、女子は高梨沙羅選手が2年連続5回目の優勝を果たしました。
先月29日から始まったスキーサマージャンプの大会は、選手の移動を減らして感染防止対策を徹底しようと3日まで5つの大会が札幌市で集中して開催されました。

このうち先月31日からは、札幌市の大倉山ジャンプ競技場で4日間続けて実施され、最終日の3日は、NHK杯の男女のラージヒルが行われました。

女子は、ピョンチャンオリンピックで銅メダルの高梨選手が1回目に128メートルを飛びましたが、そのあと飛んだ3連勝中の伊藤有希選手が134メートルの好ジャンプを見せて、6.1ポイントを追う展開となります。

2回目に有利な向かい風の中で133メートル50と飛距離を伸ばした高梨選手は合計251.2で、逆転で2年連続5回目の優勝を果たしました。

一方、男子は、全日本選手権で2種目を制した佐藤幸椰選手が1回目に132メートル50でトップに立ち、2回目には最長不倒の133メートルを飛び好ジャンプをそろえて、合計244.8で初優勝しました。

昨シーズンのワールドカップ個人総合3位の小林陵侑選手は1回目に飛距離を伸ばせず3位となり、NHK杯、3連覇はなりませんでした。

48歳のベテラン、葛西紀明選手は9位でした。

佐藤幸椰選手「修正することができた」

初優勝した佐藤幸椰選手は「1回目は大倉山にきていちばん悪い内容だったが、気持ちを切り替えてシビアなコンディションの中で修正することができた」と振り返りました。

今月から予定されているワールドカップに向けては「小林陵侑選手に注目が集まりがちだが、僕をはじめ、若い選手もたくさんいるので日本チームとしてさらに頑張っていきたい。ワールドカップに向けて食らいついて必ずパフォーマンスを上げたい」と意気込んでいました。

小林陵侑選手「いい感触で終われ よかった」

3位だった小林陵侑選手は、「1回目はミスだったが2回目はうまく修正していい流れで飛べたと思う。連戦の最後のジャンプがいい感触で終われたのでよかった」と振り返りました。

そして、冬のシーズンに向けて「とにかくいいジャンプを試合で見せたい。いいときも悪いときもあると思うが、自分に集中していきたい」と意気込みを話していました。

高梨沙羅選手「ワールドカップにつなげたい」

大会2連覇を果たした高梨沙羅選手は「大倉山に入ってからなかなかかみ合わなかったが、きょうは2回とも風に恵まれてこのジャンプ台特有の風をつかんでジャンプできたし、課題としている空中は連戦の中でいちばんよかった。まだまだ改善しないといけない部分はあるが、気持ちの面で楽しめた」と振り返りました。

そして、本格的に始まる冬のシーズンに向けて「試行錯誤しながらいい練習ができている。しっかりワールドカップにつなげていきたい」と話していました。

異例の連戦を終えた選手たちは

新型コロナウイルスの影響でおよそ3か月遅れて札幌市で行われたスキーサマージャンプの大会は、感染対策を徹底し6日間で5つの大会を開催する異例の日程でした。

それでも選手からは「過酷だったがいいメンタルトレーニングができた」と前向きな声も聞かれ、北京オリンピックのプレシーズンに向け現状を把握する絶好の機会となったようです。

通常、夏場に始まるサマージャンプの大会は、新型コロナウイルスの影響ですべて延期されました。

試合の延期やジャンプ台が使えないなど、ことし2月から試合のなかった選手たちは、こうした状況を逆に利用して筋力トレーニングやフォームの見直しを徹底しました。

一方で、試合がないことでモチベーションやジャンプの感覚を保つ難しさも感じていた様子でした。

10月、長野県で2日間の日程で行われた「全日本選手権」を含めると11日間で8試合の連戦は、今月中旬から予定されているワールドカップに向けてまさに“試合勘”を取り戻すきっかけになったと言えます。

3日の大会で初優勝した佐藤幸椰選手は「コロナ禍の今、試合自体がモチベーションになった。感染対策もしっかりしたうえで取り組めたし4試合も作ってくれてありがたい。この連戦をステップに冬季シーズンに入っていけるよう準備している」と前向きに捉えました。

札幌での連戦で3つの大会を制した伊藤有希選手は「連戦を戦い抜くことが自分のワールドカップにつながり、自信になると思う。そこも自分を試しながらいきたい」とワールドカップに見据えて手応えを感じた様子でした。

また、昨シーズンワールドカップで個人総合3位の小林陵侑選手も「ワールドカップでも同じジャンプ台で4日間続けての試合はないしかなり過酷だった。でもこういう状況での連戦は年末からのジャンプ週間を勝ち抜くためのいいメンタルトレーニングができたと思う」とさまざまな収穫があった様子でした。

コロナ禍で異例のシーズンに臨む選手たち。

不透明な状況の中、いかに順応していくかがワールドカップでの活躍のカギを握りそうです。