財政審「介護報酬 引き上げる環境にはない」財務省が提言

国の財政問題を話し合う「財政制度等審議会」が開かれ、財務省は、介護サービスを行った事業者に支払われる介護報酬の引き上げについて、新型コロナウイルスで経済に厳しい影響が広がる中、利用者の負担にもなるとして引き上げる環境にはないと提言しました。

2日の財政制度等審議会では、社会保障がテーマになり、3年に1度の改定の時期を迎えた介護報酬の引き上げについて議論しました。

介護事業者に支払われる介護報酬については、新型コロナウイルスの感染防止のため、職員の負担が増えていることや、利用を控える高齢者が出て経営が打撃を受けているとして、引き上げるべきだという声が出ています。

これに対して財務省は、介護サービスの利用を控える動きは一時的で、高齢化の進展で年々、介護の費用が増加する中、報酬を引き上げれば、結果的に、利用者の負担が増すことになると指摘しました。

そのうえで、財務省は新型コロナウイルスで経済に厳しい影響が広がる中、報酬を引き上げる環境にはないと提言し、出席者からも賛同する意見が多かったとしています。

審議会では2日の議論を踏まえて、来年度予算案の編成に向けた提言を今月中にも取りまとめることにしています。

コロナの交付金で公用車購入の自治体も

2日の審議会では、新型コロナウイルス対策に取り組む地方自治体を支援するため、今年度の2度にわたる補正予算で合わせて3兆円が盛り込まれた「地方創生臨時交付金」の活用事例も議論になりました。

交付金は、医療機関の支援や休業要請に応じた事業者への協力金などに使われていますが、中には公用車の購入やランドセルの配布、それに駅前広場の屋根の設置などに使う自治体もあるということです。

財務省は「新型コロナ対策とどのような関係があるのか自治体は説明する必要がある」としています。

財政制度等審議会財政制度分科会の増田寛也会長代理は「詳しくみる必要があるが、コロナに便乗した予算の使い方に見えてしまう。コロナ対応だからと赤字国債を発行してまで補正予算を組んだわけで、地方議会などでのチェックも必要だ」と指摘しました。