川崎重工業 コロナで海外の販売伸び悩み オートバイ部門分社化

大手機械メーカーの「川崎重工業」は、新型コロナウイルスの影響で、海外での販売が伸び悩んでいるオートバイ部門などを、本社から切り離して分社化する、大がかりな組織再編に踏み切ることになりました。環境規制への対応などで他社との連携を強化するとしています。

発表によりますと、オートバイを製造・販売する部門と新幹線や電車の車両の製造を手がける部門を、本社から切り離して分社化する方針です。

いずれの部門も業績が低迷していることから、分社化で意思決定を速め、立て直しを急ぎたいとしています。

とりわけオートバイ部門は新型コロナウイルスの影響で、東南アジアで販売が大きく落ち込み、今年度1年間の営業損益は、およそ50億円の赤字に陥る見通しだということです。

分社化後は世界で厳しくなっている環境規制への対応などで、他社との連携を強化するとしています。

橋本康彦社長は記者会見で「分社化してもブランドのけん引役は担ってもらい、他社との連携の強化を通じて市場全体の活性化につなげたい」と話していました。

川崎重工は、このほか中国勢などと厳しい競争に直面している造船部門をプラント部門に統合する方針も明らかにしました。

航空部門600人配転へ

新型コロナウイルスの影響で、アメリカのボーイングなどの航空機の需要の落ち込みが、日本の製造業を直撃し、大手機械メーカーの川崎重工業は、航空部門に所属する従業員およそ600人の配置転換などを進めることを明らかにしました。

川崎重工業は主力事業として航空機の部品やエンジンの製造を手がけています。

しかし、アメリカのボーイングをはじめ、航空機の需要が大きく落ち込み、9月までの半年間の中間決算では、この事業の営業損益は238億円の赤字になりました。

会社では航空機の需要の低迷はこの先も続くおそれがあるとして、今年度中に航空機事業の従業員およそ600人を対象に、配置転換などを進めることを明らかにしました。

このうちおよそ200人の正社員は今後、ロボット関連などの事業に配置転換し、今後、航空機の需要が回復すれば、再び配置を戻すことにしています。

また、およそ400人の派遣社員などは契約を更新しないということです。

需要の落ち込みが続く航空機の製造をめぐっては、三菱重工業も従業員の配置転換などを進める方針を明らかにしていて、日本の製造業に影響が広がっています。