尖閣沖 接続水域 中国当局船の航行日数最多に 海保が警備強化

沖縄県の尖閣諸島沖合では、日本の領海の外側の接続水域を中国当局の船が航行した日数が、ことし、統計を取り始めて以来最も多く、海上保安庁が領海の警備を強化しています。

沖縄県にある第11管区海上保安本部によりますと、尖閣諸島周辺の接続水域では中国当局の船が2日午前中、魚釣島の北西で4隻、午後は久場島の北西で1隻、航行していました。

中国当局の船が尖閣諸島沖合の接続水域を航行した日数は、2日で283日で、去年1年間の282日を更新し、平成20年に統計を取り始めて以来、最も多くなりました。

この間、領海に繰り返し侵入し、日本の漁船に接近することがあり地元の漁協によりますと漁業にも影響が出ているということです。

海上保安庁では、巡視船の数を増やすなどして領海の警備を強化しています。

漁師“身の危険感じることも” 漁業にも影響

中国当局の船が接続水域に頻繁に現れることで地元の漁業にも影響が出ています。

漁業を営む金城和司さん(48)は尖閣諸島周辺で操業中、中国当局の船が近くに来て身の危険を感じることが、ことし数回あったといいます。

ことし7月にスマートフォンで撮影した映像には、中国当局の船が金城さんの船のすぐ近くまで迫ってくる様子が映っています。

このときの様子について金城さんは「前はこんなにまで接近というのはなかった。最近は接触しそうなぐらいまで接近してきている。だから危ない」と険しい表情で話しました。

与那国島の漁協によりますと、中国当局の船が頻繁に現れるようになって、尖閣諸島周辺の海域で漁をする人は減ってきているということですが、金城さんは不安を感じながらも、これからも漁を続けていくとしています。
金城さんは「行かないと飯食えないから行かないといけない、それは当然の権利として、今後とも変わらず普通に行き続けます」と話していました。

専門家「事態はエスカレート 日本の発信力 外交力が問われる」

海上保安行政に詳しい、国際海洋法が専門の明治学院大学の鶴田順准教授は「中国側の隻数が増えていて、ことしの防衛白書で示されたように、事態はエスカレートしている。今後事態がさらにエスカレートする可能性があるので、日本の対応が、国内的、国際的に支持を得られるように、いま尖閣で何が起きているのかを事実をベースにして日本から発信して、問題意識を共有してもらうことが重要である。日本の発信力、外交力が問われていると思う」と指摘してします。

接続水域の航行 尖閣諸島の国有化以降 急増

海上保安庁によりますと、中国当局の船が沖縄県の尖閣諸島周辺の領海のすぐ外側にある「接続水域」を航行するのは、平成24年に尖閣諸島を国有化して以降、急増しています。

「接続水域」の年間の航行日数は、平成25年から28年まで毎年200日を超え、その後2年間は100日台後半で推移しましたが、去年、年間282日と過去最多となりました。

また、中国当局が保有する船は、大型のものが増えていて、大型船は平成24年には40隻でしたが、昨年末では3倍以上の130隻に増えているということです。

これに対し海上保安庁は、平成28年に大型巡視船12隻を尖閣諸島の警備にあたる専従としたほか、那覇航空基地などの複数の航空機も使って、24時間体制で警戒・監視を行っています。

また、周辺の海上保安部に6000トン級の最大級の巡視船を増強するなど、保有する船のほか、人員も増やして対応にあたっています。