都心公園に乳児遺棄か 神戸の23歳元女子大生逮捕 殺人の疑いも

去年11月、東京都心の公園で産まれたばかりの赤ちゃんが土の中に埋められた状態で見つかった事件で、警視庁は、神戸市に住む23歳の元女子大学生が出産直後に遺棄したとして逮捕しました。赤ちゃんには窒息した痕があり、殺人の疑いでも捜査しています。

逮捕されたのは、神戸市西区の衣料販売員、北井小由里容疑者(23)です。

捜査関係者によりますと、去年11月、東京 港区東新橋の区立公園に自分が出産した女の赤ちゃんを遺棄した疑いが持たれています。

北井容疑者は、当時兵庫県内の大学に通っていて就職活動中で、飛行機で東京に向かい羽田空港に到着した直後に、予定日よりも早く子どもが産まれたとみられています。

警視庁が周辺の防犯カメラの映像を分析するなどした結果、その後、電車に乗って公園近くまで移動していたことが分かったということで、赤ちゃんは5日後に遺体で見つかりました。

捜査関係者によりますと調べに対して容疑を認め、「子どもは空港のトイレの個室で産んだ。公園に行って埋めた」などと供述しているということです。

赤ちゃんには窒息した痕があったことが分かっていて、警視庁は殺人の疑いでも捜査を進めています。

防犯カメラに歩き回る姿 捜査関係者「迷っている様子」

事件が発覚したのは、去年11月8日でした。

東京 港区東新橋の区立イタリア公園で、近くの保育園の女性保育士が土の中に埋められた赤ちゃんの遺体を見つけました。

通報を受けた警視庁が詳しく調べたところ、赤ちゃんは生後まもない女の子で、へその緒がついたままでした。

裸のまま埋められていて、口を塞がれて窒息したような痕があったということです。

警視庁は公園周辺にある膨大な量の防犯カメラの映像を一つ一つ解析し、公園に出入りした可能性がある3万人近くの人物を割り出す捜査を続けました。

その結果、赤ちゃんの遺体が発見される5日前の11月3日の夜に、神戸市に住む23歳の元女子大学生が公園を訪れていたことが確認されたということです。

捜査関係者によりますと、さらに当時の行動を調べたところ、妊娠して医療機関を受診していたことや、就職活動で東京に来ていたことなどが分かったということです。

防犯カメラには袋に入れた赤ちゃんの遺体を抱えながら、歩き回ったり公園に何度も出入りしたりする様子が映っていて、ある捜査関係者は「子どもをどうしようか何か迷っている様子に見えた」と話しています。

警視庁は、事件からおよそ1年がたった1日、自宅にいた容疑者に同行を求めて事情を聴いたところ、赤ちゃんを遺棄したことを認めたため逮捕しました。

診察した医師「妊娠を伝えても喜ぶ様子なかった」

これまでの捜査で、容疑者は、事件の前の去年9月に兵庫県内の医療機関を訪れていたことが分かっています。

当時対応した産婦人科の医師がNHKの取材に応じました。

医師によりますと、診察で妊娠が分かったため出産する病院などを考えるように伝えましたが、あいまいな答えをすることがあり少し様子がおかしいと感じたといいます。

医師は「妊娠していることを伝えると本人は黙ってうなずいていた。特にショックだという顔ではなかったが、喜ぶ様子もなかった。中絶できる時期はすぎていたので、そういう話はしなかった」と話しています。

このあと、容疑者が再びこの医療機関を訪れることはなかったということです。