東京都 新型コロナ検査能力 1日最大約6万5000件まで拡充へ

東京都は、インフルエンザとの同時流行に備えて、新型コロナウイルスの検査能力を、1日最大およそ6万5000件まで大幅に拡充するとともに、発熱などの症状を訴える患者が増えることを想定して、専門の相談センターを開設するなどして受診や相談の体制強化も図ることになりました。

東京都は30日、幹部が出席して新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、インフルエンザとの同時流行に備えた対応方針を取りまとめました。

それによりますと、ことし12月上旬までに都内の新型コロナウイルスの検査能力を、1日最大およそ6万5000件まで大幅に拡充します。

PCR検査と抗原検査を合わせた現在の検査能力は1日2万5000件で、これと比べると2.6倍、およそ4万件増やすことになります。検査機器を最大限稼働させた場合の1日最大4万6000件からは、およそ2万件増やすことになります。

また、都は今後、発熱などの症状を訴える患者が増えることを想定して、受診や相談の体制強化も図ることになりました。

まずは、かかりつけ医に電話で相談する仕組みを整備するほか、かかりつけ医がいない人や、接触確認アプリから通知を受けた人などは、
▽地域の医師会のホームページに掲載された医療機関に相談したり、
▽新たに設ける「東京都発熱相談センター」などを通じて、医療機関を紹介してもらったりします。

相談センターは30日午後5時に開設され、土日・祝日を含めて毎日、24時間対応します。発熱などの症状がある人が相談する電話番号は、03-5320ー4592です。接触確認アプリから通知を受けた人は、アプリのなかで電話番号が伝えられます。

さらに都は、保健所の支援を強化して、今後の感染の急増に備えるために感染経路の調査などを担う保健師や看護師を100人程度採用して、11月中旬以降、支援拠点に配置することも決めました。

小池知事「インフル流行による検査需要を考慮」

東京都の小池知事は、記者会見で「新型コロナウイルスの検査需要に加えて、インフルエンザの流行による発熱患者の検査需要を考慮して設定した。多くの発熱患者が発生しても、適切に検査できる体制を確保するものだ。検査体制については、例えば、簡易キットを使う抗原定性検査の活用を促進することなどの合わせ技で進めていく」と述べました。

そして「例年、1月から2月ぐらいがインフルエンザの流行期だ。それに向けて、必要な検査を迅速に実施できるよう関係機関と連携して検査体制を拡充していき、検体の搬送などもスムーズに行えるよう進めていく」と述べました。

インフルエンザと新型コロナ 検査の手順は

東京都がまとめた計画では、発熱を訴えた患者に対し、新型コロナウイルスかインフルエンザか分からないと医師が判断した場合は、まずはインフルエンザの検査を行います。

そして、インフルエンザの検査で陰性だった患者には新型コロナウイルスの検査を実施するということです。

ただ、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある人、それに子どもについては、インフルエンザと新型コロナウイルスの検査を同時に行うということです。

都によりますと両方の検査が可能な体制を整えている「診療・検査医療機関」は、都から指定を受ける見通しの施設も含めておよそ2800あり、都内の医療機関の4割近くに当たるということです。