日本航空 2400億以上の赤字へ 株式再上場以来 赤字決算は初

日本航空は、来年3月までの1年間の業績予想を公表し、グループ全体の最終的な損益が2400億円以上の赤字となる見通しを示しました。1年間の決算が赤字に陥るのは、経営破綻後の2012年に株式を再上場して以来、初めてです。

日本航空が30日に発表した、9月までの半年間の中間決算は、去年の同じ時期に比べて、売り上げが74%減って1947億円、最終的な損益は541億円の黒字から一転して、1612億円の赤字となりました。

新型コロナウイルスの影響で、利用客が去年の同じ時期より、国際線で97%、国内線で76%減ったことが、主な要因です。

併せて公表した来年3月までの1年間の業績予想では、最終的な損益が2400億円から2700億円の赤字になるという見通しを示しました。1年間の決算が赤字に陥るのは、経営破綻後の2012年に株式を再上場して以来、初めてです。

日本航空は、従業員を外部の企業に出向させるなどして人件費を削減するほか、大型機を中心に航空機を減らすなどして、今年度はおよそ1000億円のコストの削減を目指すとしています。

また、資金繰りに万全を期すため、金融機関からの融資枠を11月中に1000億円積み増しして、合わせて3000億円を確保するとしています。

会見で菊山英樹専務は「今後の見通しに、確たる前提を置くことは難しく、幅を持たせた。当面の資金繰りは金融機関と連携して万全だ」と述べました。