EU コロナ感染再拡大で約270億円拠出 国境またぐ患者搬送支援

ヨーロッパで新型コロナウイルスの感染が再び急速に拡大していることを受け、EU=ヨーロッパ連合は加盟国の医療崩壊を防ぐため、日本円でおよそ270億円を拠出して、国境をまたぐ患者の搬送を支援する方針を示しました。

ヨーロッパでは、フランスやスペインで新型コロナウイルスの感染者がそれぞれ100万人を超えるなど感染が再び急速に拡大し、国によっては医療体制がひっ迫し始めています。これを受けてEUは29日、オンライン形式で緊急の首脳会議を開き、対応を協議しました。

会議後の記者会見でEUのフォンデアライエン委員長は、加盟国の医療崩壊を防ぐため、2億2000万ユーロ、日本円にしておよそ270億円を拠出して国境をまたぐ患者の搬送を支援する方針を示しました。

また首脳会議では、PCR検査より精度は劣るものの短時間で結果が得られる抗原検査を拡充させることや、各国がそれぞれ導入している感染者追跡などに使う携帯電話のアプリを連動させ、国境を越えて活用できるようにすることでも一致しました。

EUでは、多くの加盟国の間で認められている国境をまたぐ自由な移動が再び感染を拡大させることが懸念されていて、各国の協力を強化するとともに、検査を拡充することなどによって感染拡大を抑えたい考えです。