体操 内村航平選手 新型コロナに感染 国際体操連盟が発表

国際体操連盟は、オリンピックで2大会連続金メダルを獲得した内村航平選手が新型コロナウイルスに感染したことを発表しました。内村選手は、来月8日に都内で開催される国際大会に出場する過程の中でPCR検査を受けていて、国際体操連盟は現時点では大会は開催するとしたうえで、今後の検査次第では日本の選手団の出場を取りやめる可能性に言及しました。

発熱などの症状なし

国際体操連盟は29日午後7時半すぎから渡辺守成会長がオンラインで会見を行い、新型コロナウイルスのPCR検査で内村選手の陽性が確認されたと発表しました。

それによりますと、内村選手は、来月8日に日本で開催される国際大会への出場に向け、感染対策として不特定多数の人との接触を避けるため今月20日から東京 北区のナショナルトレーニングセンターに滞在し、21日に受けたPCR検査では陰性だったということです。

しかし28日に再び受けたPCR検査の結果が29日午後、判明し、新型コロナウイルスへの感染が確認されたということです。

内村選手は29日の体温が36度3分と発熱などの症状はなく、現在は、ほかの選手とは接触しないトレーニングセンターの個室に滞在しているということです。

国際体操連盟は現時点で大会は予定どおり開催するとしたうえで、内村選手と同じ施設に宿泊して練習を行っていた日本の男女7選手やスタッフについて30日、再びPCR検査を実施し、その結果によっては、日本の選手団の出場を取りやめる可能性もあるとしています。

渡辺会長は「非常に残念な結果だが、今後の経緯を冷静に見ていきたい。内村選手もこの大会への思いがあったと思うので、その気持ちに応えるためにも、できるかぎり大会を開催したい」と話していました。

内村航平選手とは

内村航平選手は、オリンピックの体操男子個人総合で2大会連続で金メダルを獲得している日本体操の第一人者です。

オリンピック初出場となった2008年の北京大会以降、3つの大会で、団体では金メダル1つと銀2つ、6種目で争う個人総合では金2つと銀1つを獲得してきました。

また、種目別でも「ゆか」で銀メダルを獲得しています。

しかし、リオデジャネイロ大会以降は、足首のけがや肩の痛みなどに苦しみ、去年は世界選手権のメンバーから外れるなど満足のいく結果を残せず、東京オリンピックに向けては、得意の鉄棒に絞って種目別での出場を目指しています。

およそ1年ぶりに出場した9月の全日本シニア選手権では、鉄棒に出場し、復調の兆しを見せていました。

11月8日開催の大会について

この体操の大会は、新型コロナウイルスの感染拡大後、東京オリンピックの実施競技としては、初めて11月8日に都内で開かれる国際大会です。

日本のほか中国、アメリカ、ロシアの4か国から32人の選手が参加する予定で、海外の選手たちは大会4日前からチャーター機などで順次、日本に入国します。

海外の選手は、それぞれの国で隔離措置や定期的なPCR検査を行って、健康状態を確認していることから、日本入国後の2週間の隔離は免除されます。

一方、日本の選手たちは今月20日から順次、東京 北区のナショナルトレーニングセンターに滞在し不特定多数の人との接触を避けてきました。

国際体操連盟によりますと、選手たちには定期的なPCR検査が義務づけられ、今月21日に1回目のPCR検査が、28日には2回目のPCR検査が行われました。

感染拡大後、国内で初めて開かれる海外の選手を迎えての国際大会で、来年の東京オリンピック開催を見据えて、十分な感染対策が取れるか、注目されています。