韓国 イ元大統領 懲役17年確定 歴代大統領で実刑確定は4人目

韓国の最高裁判所は収賄などの罪に問われたイ・ミョンバク(李明博)元大統領について、上告を退け懲役17年の判決が確定しました。保釈されていたイ元大統領は近く再び収監される見通しです。

韓国で2013年まで5年間にわたって大統領を務めたイ・ミョンバク被告は、みずからが実質的に所有していた自動車部品会社の訴訟費用を、財閥系企業のサムスン電子に肩代わりさせ、見返りにサムスン電子の会長に恩赦を与えたなどとして、収賄や横領などの罪に問われました。

おととしの1審は、懲役15年などの判決を言い渡し、ことし2月の2審は、イ元大統領が受け取った金額について1審よりも多く認めて量刑を重くし、懲役17年と罰金130億ウォン、日本円でおよそ12億円、それに追徴金57億8000万ウォン余り、日本円で5億3000万円余りを言い渡しました。

これに対し、無罪を主張するイ元大統領と、量刑を不服とする検察側の双方が上告していました。

29日の判決で最高裁判所は「2審の結論に誤りはない」として、双方の上告を退け、懲役17年などの判決が確定しました。

韓国の歴代の大統領経験者のうち、刑事事件で起訴されて実刑判決が確定したのは、チョン・ドゥファン(全斗煥)氏と、ノ・テウ(盧泰愚)氏、そして、パク・クネ(朴槿恵)氏に続いて、4人目となります。

イ元大統領は、ことし2月から保釈されていましたが、近く再び収監される見通しです。

イ・ミョンバク元大統領とは

韓国のイ・ミョンバク(李明博)元大統領は、78歳。

大阪で生まれ、4歳のときに帰国して韓国南部の港町ポハン(浦項)で育ち、35歳の若さで大手建設会社の社長に就任しました。

50歳で政界に転身すると、国会議員やソウル市長を経て、2007年の大統領選挙で当選し、革新系から保守系への、10年ぶりの政権交代を実現させました。

大統領在任中は北朝鮮に対し、非核化などを求めて厳しい姿勢を堅持したほか、2012年8月に島根県竹島への上陸を強行するなどして、日韓関係の悪化を招きました。

一方、2009年には前任のノ・ムヒョン(盧武鉉)元大統領が、親族の不正資金をめぐる事件で、検察の事情聴取を受けてから3週間後に自殺し、韓国国民に大きな衝撃を与えました。

ノ元大統領の最側近だったムン・ジェイン(文在寅)大統領は、著書などでイ政権下でのノ氏に対する捜査を批判してきたことから、韓国では、ムン政権の発足直後から、イ元大統領への捜査が進められるという見方が出ていました。

このため、検察が裁判所に逮捕状を請求した際、イ元大統領の事務所は「政治に左右される検察をはじめ、国家権力が総動員されて行われている『イ・ミョンバク殺し』だ」などと強く反発していました。