学術会議任命「法に沿って行ったもの」菅首相 参院本会議

国会では、参議院でも菅総理大臣の所信表明演説に対する代表質問が始まり、菅総理大臣は、「日本学術会議」の会員候補6人が任命されなかったことについて、法律に沿って行ったものであり、解釈を変更したものではないという考えを重ねて示しました。

29日は、参議院本会議で、立憲民主党と自民党が質問しました。

立憲民主党の福山幹事長は、「日本学術会議」の会員候補6人が任命されなかったことについて、かつて中曽根元総理大臣が、国会で「政府が行うのは形式的任命にすぎない」と答弁したことなどを踏まえ、「元総理大臣のことばをりょうがする明確な根拠を聞かせてほしい。解釈を変更したのか」とただしました。

菅総理大臣は「元総理大臣の発言、答弁との関係だが、憲法第15条第1項は、『公務員の選定は、国民固有の権利』と規定しており、この規定に基づき、日本学術会議法では、会員を総理大臣が任命することとされている。今回の任命も、日本学術会議法に沿って行ったもので、法の解釈変更ではない旨は、国会において内閣法制局からも答弁しているとおりだ」と述べました。

自民党の世耕参議院幹事長は、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、「欧米のような爆発的拡大には至っていないが、今こそ、次の波への備えを充実させておく必要がある」と指摘し、爆発的な感染をどのように防ぐのか、ただしました。

これについて、菅総理大臣は「爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守るという強い決意のもとに、早急に今後の感染拡大に備えた対策を講じていく。これまでの経験や科学的知見も踏まえて、クラスター発生時における、大規模、集中的な検査実施により、感染を封じ込める。検査医療提供体制の整備になどついても、地方自治体とも密接に連携して国が主導して万全の準備、対応を講じていく」と述べました。

立民 福山幹事長「説明にならない答弁」

立憲民主党の福山幹事長は、記者団に対し「日本学術会議の答弁は、いよいよ迷走し始めたという感じだ。全く説明にならない答弁を繰り返している。また、新型コロナウイルスに関する、いろいろな支援策の延長についても具体的に聞いたが、明確な答えは全くなく、現場の悲鳴にも似た声が、官邸には全く届いていないのではないか。非常に残念に思った」と述べました。