EU 各国で抗原検査を拡充 新型コロナ感染 再度の急速拡大受け

EU=ヨーロッパ連合は域内で新型コロナウイルスの感染が再び急速に拡大していることを受け、日本円で120億円余りを投入して感染しているかを短い時間で調べることができる抗原検査を拡充するなどの新たな方針を発表しました。

ヨーロッパではフランスやスペインで新型コロナウイルスの感染者がそれぞれ100万人を超えるなど感染が再び急速に拡大しています。

EUのフォンデアライエン委員長は28日、感染の抑制に向けた新たな方針を発表しました。

それによりますと、1億ユーロ、日本円で120億円余りを投入し、各国で抗原検査を拡充させるとしています。抗原検査はPCR検査に比べて精度が低く感染している人でも陽性とならない場合もありますが、大幅に短い時間で結果が得られるのが特徴です。

方針には、加盟国が個別に導入した感染者の追跡などに使うアプリを連動させ、国境を越えても活用できるようにする措置も盛り込まれました。

これらは29日にオンライン形式で開かれる臨時のEU首脳会議で議論される予定です。

また、新型コロナウイルスのワクチンについて、フォンデアライエン委員長は記者会見で「かなりの量の供給が来年4月から始まるはずだ」と述べたうえで、最大で月に2000万から5000万回分が供給されるとの見通しを示しました。