学術会議「任命拒否は想定せず」平成16年 政府が内部文書作成

日本学術会議が推薦した会員候補が任命されなかったことをめぐり、会員の選出方法が現在の方式に変わった平成16年に、政府が「内閣総理大臣が任命を拒否することは想定されていない」とする内部文書を作成していたことが分かりました。

この文書は、平成16年1月に、当時、学術会議を所管していた総務省が、日本学術会議法を改正する際に内閣法制局向けに作成した説明資料で、今回、野党側の国会議員が入手しました。

このときの法改正では、学術会議の会員の選出方法が学会ごとに候補者を推薦する方式から、現役会員などが候補者を推薦する現在の方式に変更されました。

これについて文書には「学術会議から推薦された会員の候補者につき、内閣総理大臣が任命を拒否することは想定されていない」と記されています。

会員任命の法解釈をめぐっては、昭和58年の参議院文教委員会で政府側が「形だけの推薦制であって、学会のほうから推薦をしていただいた者は拒否はしない」と答弁していて、平成16年の法改正の際にもこの解釈を踏襲していた形になります。

一方、菅総理大臣は、今月5日のインタビューで昭和58年の答弁との整合性について当時と現在では会員の選出方法が変わっていることを指摘したうえで「それぞれの時代の制度の中で法律に基づいて任命を行っている」と説明していました。

政府はおととし、「内閣総理大臣に会議の推薦通りに会員を任命すべき義務があるとまでは言えない」とする文書を取りまとめていて、任命拒否をめぐる法解釈が国会で焦点の1つになっています。

加藤官房長官「内閣の姿勢は一貫」

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「任命にかかる規定の解釈として、総理大臣が推薦のとおり任命しないことが法的に許容されないということを述べたものではなく、将来において任命に至らないものが生じる可能性を排除するものでもないと認識している」と述べました。

そのうえで、「会員の任命については、憲法の規定に基づき、任命権者たる総理大臣が責任をしっかりと果たしていくという考え方に立っていく必要があり、当時からそういった内閣の姿勢は一貫している」と述べました。