文化功労者に漫才師の西川きよしさんら20人

今年度の文化功労者には漫才師の西川きよしさんなど20人が選ばれました。

文化功労者に選ばれたのは次の方々です。

東京大学名誉教授で科学哲学・科学史・比較文明学が専門の伊東俊太郎さん(90)。

早稲田大学理工学術院教授で応用数学が専門の大石進一さん(67)。

オリンピック・金メダリストで日本体操協会元理事の加藤澤男さん(74)。
撮影技師で映画監督の木村大作さん(81)。

プリンストン大学経済学教授でマクロ経済学が専門の清滝信宏さん(65)。

テレビ演出家の今野勉さん(84)。
作曲家の三枝成彰さん(78)。本名・三枝成章さん。

音楽プロデューサーの酒井政利さん(84)。

インターネットイニシアティブ代表取締役会長の鈴木幸一さん(74)。
作曲家のすぎやまこういちさん(89)。本名・椙山浩一さん。
美術作家の高橋秀さん(90)。本名・高橋秀夫さん。

ぐるなび取締役会長で創業者の滝久雄さん(80)。

理化学研究所創発物性科学研究センター長で物性物理学が専門の十倉好紀さん(66)。
人形浄瑠璃文楽三味線演奏家の鶴澤清治さん(75)。本名・中能島浩さん。

東京大学名誉教授でメカトロニクスが専門の原島文雄さん(80)。

能楽師の福王茂十郎さん(77)。本名・福王輝幸さん。
漫才師の西川きよしさん(74)。本名・西川潔さん。
井上科学振興財団理事長で発生遺伝学が専門の堀田凱樹さん(82)。

染織作家の森口邦彦さん(79)。

シカゴ大学ラルフ・ルイス記念特別教授で社会学が専門の山口一男さん(74)。

文化功労者に選ばれたのは以上、20人の方々です。

文化功労者の顕彰式は来月4日に都内のホテルで行われます。

木村大作さん「生き続けるかぎり映画を」

文化功労者に選ばれた撮影技師で映画監督の木村大作さんは東京出身の81歳。

昭和33年に映画会社「東宝」の撮影部に入り、撮影助手として「隠し砦の三悪人」や「用心棒」など、数々の黒澤明監督の作品に携わりました。

昭和48年に撮影技師としてデビューし、森谷司郎監督の「八甲田山」や降旗康男監督の「駅 STATION」、「鉄道員」などの作品を手がけて、多くの賞を受賞しています。

映画監督としても活躍し、自身の監督デビュー作で撮影も行った平成21年公開の「劔岳 点の記」で、日本アカデミー賞の最優秀監督賞と最優秀撮影賞を受賞したほか、おととしには「散り椿」が、カナダの「モントリオール世界映画祭」で最高賞に次ぐ審査員特別グランプリを受賞しました。

平成15年には紫綬褒章を、平成22年には旭日小綬章を受章しています。

文化功労者に選ばれたことについて、木村さんは「これまでに選ばれている映画関係者も、黒澤明さん、高倉健さんなど、そうそうたる人たちで、連絡をもらってびっくりしました」と喜びを語ったうえで、「新型コロナウイルスの影響で、家にこもっていましたが、映画の現場を体験しないと映画人は絶対だめだと思っていて、そのために日々、企画を考えています。生き続けるかぎり映画のことから離れたくない、それが僕の仕事の流儀です」と話していました。

三枝成彰さん「才能なかったが 人の3倍努力」

文化功労者に選ばれた作曲家の三枝成彰さんは兵庫県西宮市出身の78歳。

東京藝術大学大学院に在籍していたときから次々と作品を発表して作曲家として頭角を現しました。

伝統的なクラシック音楽の技法を取り入れた情緒豊かな作風が特徴で、「忠臣蔵」や「Jr.バタフライ」などオペラを中心に多くの作品を手がけ、高い評価を受けています。

また、NHKの大河ドラマ「太平記」や連続テレビ小説「はね駒」など、数多くのテレビドラマの音楽のほか、人気アニメ「機動戦士ガンダム」の映画作品の音楽も手がけるなど、ジャンルにとらわれない作曲活動を続けてきました。

平成19年には紫綬褒章、平成29年には旭日小綬章を受章しています。

文化功労者に選ばれたことについて三枝さんは「自分は日本の音楽の本流ではないと思っていたので、選ばれたことは驚きであり、とても光栄です。多くの人たちの支えがあったからこそ作曲活動を続けることができ、感謝を申し上げたい。
私は音楽の才能はなかったが、人の3倍努力してきました。新型コロナの影響で音楽業界は非常に厳しい状況に追い込まれているが、若い人たちには才能ではなく好きなことに向かって努力することの大切さをこれからも伝えていきたい」と話していました。

すぎやまこういちさん「今までの延長線上で頑張る」

文化功労者に選ばれた作曲家のすぎやまこういちさんは、東京の出身で89歳。

大学を卒業後、民放のディレクターとして働きながら作曲家としての活動を始め、昭和43年以降は作曲活動に専念し、ザ・タイガースの「君だけに愛を」やヴィレッジ・シンガーズの「亜麻色の髪の乙女」など、時代を彩る楽曲を次々と世に送り出しました。

また、アニメの主題歌やテレビゲームの音楽なども数多く手がけ、中でも、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズでは、昭和61年の第1作から第11作まで30年以上にわたってテーマ曲などを制作し、平成28年には、「最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家」として、ギネス世界記録に認定されました。

また、日本作編曲家協会の理事長など関係団体の要職を歴任し、長年にわたる音楽界への貢献が評価されて平成30年には旭日小綬章を受章しました。

文化功労者に選ばれたことについて、すぎやまさんは「日本の音楽文化に対して功労があると認められたことはすごく名誉なことだし、努力した甲斐があった。これから先、ゲーム音楽も引き続きやっていくでしょうし、ゲーム音楽ではない分野でも今までやったようなことをやっていく。今までやってきたことの延長線上で頑張るということです」と話しています。

西川きよしさん 漫才分野からの文化功労者は初

文化功労者に選ばれた漫才師の西川きよしさんは、高知県出身の74歳。

中学卒業後、喜劇俳優を目指して吉本新喜劇で舞台に出演するなか、昭和41年に横山やすしさんと漫才コンビを結成しました。

コンビ結成の翌年には「上方漫才大賞」の新人賞を受賞して頭角を現し、昭和54年と59年には上方大衆演芸の頂点を選ぶ「上方お笑い大賞」で大賞を受賞しました。

テンポが速く、ボケとツッコミの役回りを交互に入れ替える2人の漫才は、「型破り漫才」や「やすきよ漫才」と評されて漫才ブームをけん引し、のちの漫才師にも多大な影響を与えました。

また、昭和61年から3期18年にわたり参議院議員を務めました。

文部科学省によりますと、漫才の分野から文化功労者に選ばれたのは、西川さんが初めてです。

西川さんは、「身に余る光栄です。大衆芸能の中で、漫才にもすそ野を広げていただけて本当に感謝しています。少しでも皆様に楽しんでいただけるように、これからも頑張っておもしろいネタを、笑っていただけるネタを考えていきたいと思います」と喜びを表していました。

また、24年前に亡くなった、相方の横山やすしさんについては、「知らせを聞いてすぐに仏壇に報告に行きました。やすしさんに『俺がおらんようになってから1人でもらったんか。2人でもらいたかったな』と言われたような気持ちでした」と話していました。

そして、後輩の漫才師たちに向けて「私が賞をいただいたことで変に緊張することなく、後輩の皆さんにも、『俺も頑張ろう』という気持ちになってもらえたらうれしいです」とエールを送りました。