文化勲章に橋田壽賀子さんら5人

文化勲章に橋田壽賀子さんら5人
今年度の文化勲章の受章者に脚本家の橋田壽賀子さんなど5人が選ばれました。
文化勲章を受章するのは次の方々です。

脚本家の橋田壽賀子さん、本名・岩崎壽賀子さん(95)。
人形作家の奥田小由女さん(83)。

従来の人形の枠を超えた現代感覚に満ちた作風が評価されるなど、日本を代表する人形作家として多くの秀作を発表するとともに、工芸界の発展に尽力し続けています。
東京大学名誉教授で日本文学が専門の久保田淳さん(87)。

古典全般にわたる深く広い教養に裏付けられた斬新な作品分析が特徴で、和歌文学と中世文学の研究で優れた業績を上げ、日本文学の発展に大きく貢献しました。
東邦大学名誉教授で物性物理学が専門の近藤淳さん(90)。

不純物を含んだ金属を極めて低い温度に冷却していく中での電気抵抗の変化について、その原因を理論的に解明する極めて顕著な業績を上げました。
彫刻家の、澄川喜一さん(89)の合わせて5人です。

文化勲章の親授式は来月3日に皇居で行われます。

橋田さん「お年寄りが1人でどう生きるか考え書きたい」

文化勲章を受章する脚本家の橋田壽賀子さんは、大正14年生まれの95歳。

昭和24年に映画会社「松竹」に入社して脚本家としての活動を始め、その後、フリーの脚本家としてテレビドラマの人気作品を数多く生み出しました。

特に、昭和58年にNHKで放送された「おしん」は、国民的人気ドラマとして高い評価を受けただけでなく、アジアや中東、アフリカを中心に60以上の国と地域でも放送され、世界的なブームを巻き起こしました。

また、民放のドラマ「渡る世間は鬼ばかり」は平成2年の放送開始からこれまでに500回以上放送される長寿番組となり、ありふれた日常の暮らしを描きながら社会で起きている現象を織り込み、辛口ホームドラマの代表作として高く評価されています。

橋田さんは昭和63年に紫綬褒章を受章し、平成27年には文化功労者に選ばれています。

文化勲章の受章について、橋田さんは「テレビが文化とは思っておらず、まだ実感が湧きません。お茶の間に入っておじいちゃんおばあちゃんまで見てもらえるテレビが好きで、ドラマを書いてきました。俳優や演出家、スタッフがいてやっと私の脚本が生きてくるので、私1人の力ではなく皆さんのおかげです」と喜びを語り、今後に向けて「私の年にならないと書けないことしか書けないので、お年寄りが1人で生きる覚悟をして、どう生きるかを考えて書いてみたいです」と話していました。

澄川喜一さん「一生勉強を」

文化勲章を受章する彫刻家の澄川喜一さんは、島根県の出身で89歳。

東京藝術大学で彫刻を学んで昭和34年にデビューし、木材を曲線形に削り出して組み合わせた「そりのあるかたち」という一連の作品で高い評価を受けました。

その後も、石や金属などを使った抽象彫刻などで数々の賞を受賞して活躍した一方、東京藝術大学で後進の指導に当たり、平成7年から13年までは大学の学長も務めました。

また、屋外の公共空間での大規模建造物のデザインでも多くの業績を残し、東京湾アクアラインの川崎人工島「風の塔」や、国立科学博物館のモニュメントなどを手がけたほか、東京スカイツリーのデザインを監修しました。

平成10年には紫綬褒章を受章し、平成20年には文化功労者に選ばれています。

文化勲章の受章について、澄川さんは「予期しないことで、身に余る気持ちでいっぱいです。これまでの作品を振り返ると、よくこれだけ大きい物を作ったなという満足感はありますが、年をとってみるともう少しこうすればよかったと反省もあり、一生勉強を続けないといけないと思っています。文化勲章はうれしい反面、重みも感じていますが、これからもまだ頑張らないといけないと思っています」と話していました。