米 副大統領の側近2人新型コロナ陽性 民主党は批判強める

アメリカのホワイトハウスは、ペンス副大統領の側近2人が新型コロナウイルスの検査で陽性の結果が出たと明らかにしました。来週3日に迫った大統領選挙で感染対策が争点となる中、トランプ大統領は、遊説先で感染は抑えられていると強調したのに対して、野党・民主党のバイデン陣営は政権の失策で感染は拡大していると批判を強めています。

ホワイトハウスは、24日、ペンス副大統領の首席補佐官と上級顧問の2人が新型コロナウイルスの検査で陽性の結果が出たと明らかにしたうえで、副大統領は陰性で、今後の日程にも変更がないことを強調しました。

トランプ大統領は、25日、ニューハンプシャー州で支持者向けの集会を開き、みずからも新型コロナウイルスに感染し、入院したものの、「閉じこもっているわけにはいかない」と述べました。

さらに、国内の感染状況について、「ワクチンがなくても好転している。終息する」と楽観的な見方を示し、雇用も経済も回復しているとアピールしました。

これに対して野党・民主党の副大統領候補、ハリス上院議員は、25日、訪問先のミシガン州で、「アメリカの歴代政権の中で、最大の失敗だ。この1週間だけでも感染者が記録的に増加しているが、責任を取ろうとしない」と述べ政権の失策で感染は拡大していると厳しく批判しました。

アメリカでは、中西部を中心に新型コロナウイルスの感染が再び拡大していて、大統領選挙が来週3日に迫る中、トランプ陣営が経済再開を、バイデン陣営は感染対策をそれぞれ重視し、有権者に支持を訴える動きを強めています。

米メディア “新たな感染確認 少なくとも5人”

ホワイトハウスは、ペンス副大統領の側近2人が新型コロナウイルスの検査で陽性の結果が出たとしていますが、アメリカの主要メディアは、ほかのスタッフも感染していて、感染が確認されたのは側近2人を含む少なくとも5人に上ると伝えています。

ホワイトハウスのメドウズ大統領首席補佐官は、25日に出演したCNNテレビの番組で副大統領の周辺で何人が感染したのか問われたのに対して、「そのような情報は公表しない」と述べ、明らかにしませんでした。

そのうえで、ペンス副大統領が、感染が確認された側近の濃厚接触者にあたることを認める一方、副大統領は検査の結果、陰性で、「必要不可欠な業務従事者」として業務を続けることが認められていると説明しました。

このため、ペンス副大統領は、大統領選挙に向けた遊説などの選挙活動を予定どおり続けるとしていますが、一部のメディアからは批判の声も出ています。