コロナ後の社会 日本の若者「デジタル環境強化」望む声

コロナ後にどのような社会を目指すのか、若者らの意識を探る世界同時アンケートが行われ、日本では、「デジタル環境」を強化すべきだとする回答が4割を超えて最も多くなっています。

インターネットを使った世界同時アンケート「未来計画Q」は、新型コロナウイルスや環境問題などに関する130の選択式の質問を通じてコロナ後に世界で直面する課題について共に考えようという、各国の公共放送やNGOなどによるプロジェクトです。

ことし5月の開始からこれまでにフランス、ドイツを中心に50の国と地域の39万人が回答し、全体の74%が30代以下の若い世代の人たちです。

このうち「ポストコロナの時代に強化するべきなのは」と複数回答で聞いた質問に対して、日本では「デジタル環境」が42%、「地域産業」「持続可能な産業」が40%などと、デジタル環境の整備を求める回答が最も多くなっています。

一方、全体の回答では「地域産業」が最も多く71%、次いで「持続可能な産業」が63%、「教育・研究」が39%などとなっています。

「新型コロナウイルスの感染爆発が社会にもたらしたのは」という質問では、全体では30%が「連帯」と答え、「分断」の24%を上回りましたが、日本では「分断」が46%、「連帯」が20%と、新型コロナで社会の分断が進んだと感じる人が多くなっているほか、国別で見るとアメリカでは「分断」が74%、「連帯」が9%と大きな差が出ています。

「ポストコロナの時代一番心配なのは」という質問では、日本では「誰も教訓を学ばないこと」が42%と最も多く、次いで「大量失業」が28%などとなっていて、新型ウイルスへの対策の教訓を生かせるかや、経済面の不安を感じていることが伺えます。

全体でも最も多かったのは「誰も教訓を学ばないこと」の62%、次いで「気候変動を忘れること」が15%、「監視社会の持続」が10%などとなっています。

今回の結果について、データ分析が専門の慶応義塾大学の宮田裕章教授は、「国際比較をする中で社会の課題が見えてきた。日本は新型コロナに関連する給付金の遅れのほか、遠隔教育が途上国と比較しても進まず、若者たちは変えていかないと未来が開けないと強く感じている。世界が変わっていく中で私たちの社会もどう変わるかが問われている」としています。

「未来計画Q」のアンケートは以下のWEBサイトで12月中旬まで募集しています。

国別や年齢別の集計結果を見ることもできます。

https://www.time-to-question.com/ja※アンケートはインターネット上で任意に行っているもので、国ごとに回答者数、年齢や性別などにばらつきがあります。

※記事内のデータは、回答を集計した「未来計画Q」のサイト上から10月18日現在でまとめました。