太平洋戦争末期の激戦地 硫黄島で日米の戦没者の追悼式

太平洋戦争末期に激戦地となった硫黄島で24日、日米両国の戦没者を慰霊する追悼式が行われました。新型コロナウイルスの感染拡大でいったん開催が見送られていましたが、参列者の数を大幅に絞るなどの対策を取って行われました。

小笠原諸島の硫黄島では太平洋戦争末期の昭和20年、日本軍とアメリカ軍との間で激しい戦闘が行われ、日本側でおよそ2万1900人、アメリカ側でおよそ6800人が犠牲になりました。

戦没者を慰霊するため毎年3月に日米合同の追悼式が行われてきましたが、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大を受けていったん開催が見送られ、遺族や政府関係者などの参列者を例年の10分の1ほどの35人に絞って行われました。

日本側の遺族で作る硫黄島協会の寺本鐵朗会長は「壮烈な戦いの記憶も徐々に風化しつつあり深く憂いているが、私たちには、戦争が人類の不幸を招くということを後世に語り継ぐ責任と義務がある」と追悼のことばを述べました。

また、駐日アメリカ大使館のヒル首席公使は「この地で戦い、負傷し、愛する祖国のために命をささげた両国民をしのび、追悼する」と述べました。

追悼式では感染防止対策として参列者の座席が一定の間隔を置いて配置され、参列者は全員で黙とうし犠牲者に祈りをささげました。