イスラエルとスーダン国交正常化 仲介のトランプ大統領が発表

長年対立してきたイスラエルとアラブ諸国の関係改善を仲介するアメリカのトランプ大統領は、アラブ連盟に加盟するスーダンがイスラエルとの国交正常化で合意したと発表し、「歴史的な合意だ」と述べて、大統領選挙を前に成果をアピールしました。トランプ政権の仲介で、アラブ諸国がイスラエルと国交正常化で合意するのは3か国目です。

ホワイトハウスは23日、イスラエルとアフリカのスーダンが国交を正常化することで合意したと発表しました。

3か国の共同声明の中でイスラエルとスーダンは、経済や貿易の関係を築くため農業技術や航空分野での協力について数週間以内に協議を行うとしています。

これに先立って、トランプ大統領はスーダンをテロ支援国家の指定から解除することを決め、議会に通知しました。

トランプ政権の仲介で、アラブ諸国がイスラエルと国交正常化で合意するのはUAE=アラブ首長国連邦とバーレーンに続いてスーダンが3か国目です。

トランプ大統領は記者団に対し、「イスラエルとUAE、バーレーンの合意からたった数週間での歴史的な合意だ」としたうえで「ほかの国も続くだろう」と述べて、今後、アラブ諸国の中心的な存在であるサウジアラビアとイスラエルとの国交正常化に期待を示しました。

トランプ大統領としては、大統領選挙が来月3日に迫る中、イスラエルとアラブ諸国の関係改善を外交成果としてアピールする狙いがあります。

スーダン外務省 国交正常化急がない考え示す

イスラエルと国交を正常化することで合意したことについてスーダン外務省は23日、国営テレビを通じ、「議会ができてから最終的に判断されるべきだ」として、民政への移行期間を理由に国交正常化の実現を急がない考えを示しました。

スーダンでは、去年4月、軍によるクーデターで独裁的なバシール政権が崩壊し、現在は軍民の共同統治が続いていて、2年後に民政に移管することを目指しています。

一方、スーダンのハムドク首相はアメリカのトランプ大統領がスーダンをテロ支援国家の指定から解除する決断をしたことについて自身のツイッターに「テロ支援国家の指定解除が進むようアメリカ政府や議会と協力していきたい。国民のためにも国際的な関係を築いていく」として感謝の意を示しました。

スーダンとしては、テロ支援国家の指定解除と引き換えにアメリカが求めるイスラエルとの国交正常化の合意に応じた形ですが、合意に批判的な国内の世論も意識しつつ、今後の手続きを進めるものとみられます。

「合意受け入れられず」パレスチナ側は強く反発

トランプ大統領の仲介で、イスラエルとスーダンが国交を正常化することで合意したことについて、パレスチナ側は強く反発しています。

パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長は、合意は受け入れられないという姿勢を示した上で、「国際法や国際的に正当性を得た決定に基づいて、イスラエルによる占領を終わらせ、東エルサレムを首都としたパレスチナ国家を実現してから、包括的で公正な平和が達成されるべきだ」と述べて、強く反発しました。

ことし8月以降、イスラエルとアラブ諸国の関係改善が相次いでいることに、パレスチナ側は反発していますが、事態の解決にはつながらず苦しい立場が続いています。

アラブ諸国とパレスチナは、これまで国交正常化はイスラエルが占領地から撤退し、パレスチナ国家を承認することなどを条件としてきましたが、これを覆す動きが続いています。