【Go To】“女子旅プラン”は2時間で完売 都民向け補助始まる

東京都が都民の都内での旅行に独自に補助する事業で、旅行商品の販売や予約の受け付けが23日から始まりました。都内のホテルでは「Go Toトラベル」と併用すると、実質的に無料になるとする宿泊プランを作りましたが、2時間余りで売り切れました。

実質無料の仕組みとは

23日から予約の受け付けが始まった、東京都民向けの都の独自の補助。

都民が都内を旅行する場合に、1人当たり▽1泊で5000円、▽日帰りで2500円を補助する仕組みです。

国の「Go Toトラベル」と一緒に使うこともできます。

例えば、1泊1万円のホテルに2人で宿泊し合計2万円になる場合をみてみます。

このうち
▽都の独自の補助が2人分で1万円、
▽国の「Go Toトラベル」による割引が宿泊代金の35%にあたる7000円になります。

この結果、ホテルに実際に支払うのは3000円。つまり、1人当たり1万円のホテルに1500円で泊まることができます。

さらに、「Go Toトラベル」では、宿泊代の15%分にあたる3000円分の「地域共通クーポン券」が2人分としてもらえます。

このクーポンは、ホテルの支払いに充てることはできませんが、お土産などの買い物に使うことができます。

この結果、ホテルに3000円を支払って、お土産などを3000円分買うことができる仕組みです。

「実質、無料で宿泊できる」という声も聞かれ、中には「実質的に無料になる」とする宿泊プランを作ったホテルもあります。

なお、連続して宿泊する場合、1人5泊までが上限となっています。

どうやって申し込むのか?

申し込みは、旅行会社やホテルに対して直接行います。

旅行会社の窓口のほか、電話やWEBサイトで予約できますが、免許証などによって都民であることを確認するということです。

対象となるホテルや旅行会社は、東京都と東京観光財団が運営するホームページ、「もっと楽しもう!TokyoTokyo」から確認できます。

いつまでお得が続くのか?

東京都の独自の補助はいつまで続くのでしょうか。国も東京都も「終わる時期」について予算がなくなるまでとしています。

国や東京都はあくまで目安として、旅行の対象期間として示しているのは、
▽「Go Toトラベル」は2021年1月31日の宿泊まで、
▽都の補助は、2021年3月31日の宿泊までと説明しています。

しかし予算がなくなり次第、終了になるため注意が必要だということです。

また、旅行会社やホテルによって予約の受付期間が異なるため、事前に確認する必要があります。

実質無料の“女子旅プラン” 2時間余りで売り切れ

東京・千代田区にあるホテルニューオータニは、女性を含む3人で宿泊した場合に、都の補助事業とGo Toトラベルを併用すると宿泊料が実質的に無料になるという「女子旅プラン」を作りました。

具体的には、通常、大人3人の素泊まりで6万6000円する部屋を、ホテル側が3万769円に値下げしました。

そのうえで、部屋代金の総額からGo Toトラベルの35%の割り引きで1万769円、今回の都の補助で3人合わせて1万5000円の割り引きが受けられるため支払う額は3人で5000円になります。
ただ、周辺の店で金券として使える「地域共通クーポン」を宿泊代金の15%、3人合わせて5000円分、受け取ることができるため、実質的に無料で宿泊できる計算になるとしています。

さらに連泊した場合、負担なしでスイートルームに変更できるということです。

ホテルニューオータニのマーケティング課湯本健太郎広報主任は、「利用してもらいやすい金額というのを意識してプランを作りました。新型コロナウイルスの影響で、この夏、レジャーを楽しめなかった方も、この機会に楽しんでほしい」と話していました。

このプランは販売開始直後から予約が殺到し、2時間余りで売り切れたということで、ホテルでは急きょ、東京都の補助は受けられないものの、通常よりも値下げした別のプランの販売を始めたということです。

日帰りバスツアー 販売から4時間余で完売

東京都が都民の都内での旅行に独自に補助する事業で、旅行商品の販売や予約の受け付けが23日から始まり、都内のバス会社には、早速、ツアーを予約する客の電話が相次ぎました。

東京のバス会社の1つ東京・大田区に本社がある老舗の「はとバス」は、東京都の補助事業を使った旅行プランの販売開始に合わせて、予約を受け付ける人員をおよそ20人に増やしました。
午後2時に販売を開始すると電話が相次いだほかホームページへのアクセスも集中し、電話受け付けの担当者はツアーの内容などを説明をしながら予約を受けていました。

この会社では、今回の補助事業を活用したプランとして「都民が実は行ったことがない場所、体験したことがないこと」を念頭に2つのツアーを売り出しました。
このうち、中央区の浜離宮恩賜庭園を巡り、クルーズ船で昼食を食べて渋谷の高層ビルの展望台を訪れるプランは、通常、1万1800円ですが、Go Toトラベルを併用するとおよそ半額の5170円になります。

この会社は、新型コロナウイルスの影響で、一時は、売り上げが去年の10分の1以下に落ち込みましたが、Go Toトラベルに東京発着の旅行が加わってからは徐々に回復しているということで、今回のプランなどで都民の利用をさらに促したいとしています。

「はとバス」観光バス事業本部の石川祐成本部長は、「例年に比べれば厳しい状況が続いていますが、ツアーを通じて東京の新たな魅力を発見してもらい、次の需要につなげていきたい」と話していました。

今回、売り出したプランはいずれも、販売開始から4時間あまりで完売し会社では、別のプランを作るかなど対応を検討しています。

小池知事「より大きな効果を 感染拡大防ぐさまざまな基本も」

東京都の小池知事は「観光産業は東京にとって大きな役割を担っている。また、なによりも都民の皆さんの楽しみにもつながると」と述べ事業への期待を示しました。

そのうえで「国のGoToキャンペーンとあわせることで、より大きな効果をあげていきたい。そのためにも感染拡大を防ぐためのさまざまな基本についてしっかり守っていただきたい」と呼びかけました。

一方、一部の旅行会社などから補助の適用に必要な登録の通知が都からまだ来ないという指摘があがっていることについて、小池知事は「書類がそろっていない方々はまだ参加してもらえない状況だ。連絡をとらせていただいていると思うので、必要なものを準備してエントリーしてほしい」と述べました。