企業から内定取り消しの学生 全国で130人 新型コロナが影響

企業から内定取り消しの学生 全国で130人 新型コロナが影響
この春に就職を予定していたものの、新型コロナウイルスの影響で企業から内定を取り消された大学生や高校生は、全国で130人に上ることが厚生労働省のまとめで分かりました。
新型コロナウイルスの影響で企業の業績が悪化し内定を取り消される学生が相次いでいて、厚生労働省は全国のハローワークを通じて把握を進めています。

それによりますとことし4月に就職を予定していたものの、内定を取り消されたのは大学生や短大生、専門学校生が109人、高校生が21人の合わせて130人に上っています。

9月の発表よりも26人増えていて、このうち大学生など25人は東京・世田谷区にある衣服などの製造販売会社から内定を取り消されたということです。

地域別でみると、東京と埼玉、千葉、神奈川の「南関東」が86人と最も多く、次いで、「九州」が10人などとなっています。

また、業種別では、「生活関連サービス・娯楽業」が40人、「卸売り・小売り業」が30人などとなっています。

新型コロナウイルスの影響で内定を取り消された130人のうち、新たな就職先が見つかったと確認できたのは9月末の時点で54人となっています。

厚生労働省は内定を取り消された大学生や高校生などを対象にした専用の窓口をハローワークなど全国56か所に設置していて支援の態勢を強化しています。

さらに新型コロナウイルスの影響の長期化で来年の春に就職を予定している学生が内定を取り消されるケースが今後、出るおそれもあるとして、企業に対して最大限の経営努力をして内定の取り消しを防ぐよう引き続き呼びかけていくことにしています。

加藤官房長官「第2の就職氷河期 作ってはならない」

加藤官房長官は、21日午前の記者会見で「コロナ禍を受けて、採用選考日程をあと倒しにするなど柔軟な日程の設定や、秋採用などによる一層の募集機会の提供を行うとともに、積極的に情報発信するよう関係省庁から経済団体に要請している。『第2の就職氷河期を作ってはならない』ということで、引き続き、将来に希望を持つ学生の雇用を守るため、政府としても全力をあげていく」と述べました。