コロナで医学生の臨床実習に影響 「患者の問診できず」が7割超

コロナで医学生の臨床実習に影響 「患者の問診できず」が7割超
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医学生が医療現場で患者の診療に携わる臨床実習について、学生団体が新型コロナウイルスの影響を調査したところ、7割を超える学生が「患者の問診ができなくなっている」と回答したことが分かりました。
この調査は、医学部の学生でつくる団体がことし8月から先月末にかけてインターネットで行ったもので、全国の医学生など1082人が回答しました。

この中で新型コロナの影響で臨床実習を中止する大学が相次いだことについて、病棟での実習が再開した医学生180人余りにどんな制限があったか、複数回答で尋ねました。

それによりますと、
▽「患者への問診」が76%、
▽「回診への参加」が60%、
▽「病棟への立ち入り」が59%などと、再開後も対面での実習などが制限されていることが分かりました。

また、実習が中止になっていた間、代わりに行われた実習の形式について尋ねたところ、
▽「レポート」が84%、
▽「Zoomなどのライブ講義」が42%、
▽「少人数での症例検討」が37%でした。

自由記述では、「医師になるための最低限の手技が身につかないまま卒業するのは不安だ」など、将来への影響を懸念する声も寄せられています。

調査を行った全日本医学生自治会連合の伊東元親さんは「臨床実習では、複数の診療科を回りながら将来進むところを考えるので、十分に経験ができないと選択肢が狭まってしまうのではないかと感じる。医療現場とオンラインでつなぐなど現場の雰囲気を感じられる代替手段を考えてほしい」と話しています。