中国 GDP伸び率 2期連続のプラス コロナ影響から持ち直し続く
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中国のことし7月から先月までのGDP=国内総生産の伸び率は、去年の同じ時期と比べてプラス4.9%と、2期連続のプラスになりました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響から持ち直しが続いています。
中国の国家統計局が19日に発表した、ことし7月から先月までのGDPの伸び率は、去年の同じ時期と比べてプラス4.9%になりました。
プラス成長は2期連続です。
中国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ことし1月から3月に四半期として初めてのマイナス成長となるマイナス6.8%まで落ち込みましたが、その後はプラスに転じ持ち直しが続いています。
中国政府は、感染拡大を抑え込んだとして、早い段階から経済活動の再開を強く促すとともに、積極的な財政出動でインフラ投資を拡大させました。
また、世界的な感染拡大を背景に、在宅勤務向けの需要が伸びているノートパソコンなどの輸出が好調なほか、マスクや医療機器の輸出も大幅に増加していて、GDPを押し上げました。
中国は、世界の主要な国や地域の中で、いち早く景気回復の歩みを進めていますが、GDPの伸び率は依然、感染拡大前の水準には戻っておらず、景気回復の力強さを取り戻すためには、個人消費の底上げなどが課題になっています。
プラス成長は2期連続です。
中国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ことし1月から3月に四半期として初めてのマイナス成長となるマイナス6.8%まで落ち込みましたが、その後はプラスに転じ持ち直しが続いています。
中国政府は、感染拡大を抑え込んだとして、早い段階から経済活動の再開を強く促すとともに、積極的な財政出動でインフラ投資を拡大させました。
また、世界的な感染拡大を背景に、在宅勤務向けの需要が伸びているノートパソコンなどの輸出が好調なほか、マスクや医療機器の輸出も大幅に増加していて、GDPを押し上げました。
中国は、世界の主要な国や地域の中で、いち早く景気回復の歩みを進めていますが、GDPの伸び率は依然、感染拡大前の水準には戻っておらず、景気回復の力強さを取り戻すためには、個人消費の底上げなどが課題になっています。
中国報道官 「持続的な回復に向け 基盤さらに強化必要」
GDPの伸び率が2期連続のプラスになったことについて、中国国家統計局の劉愛華報道官は記者会見で「効果的な感染対策によって経済活動は着実に回復している。需要や生産などから判断して、今月から12月までの第4四半期も、この状況が続くだろう」と述べました。
一方、劉報道官は「海外の感染状況が依然として厳しく、国際的な環境は不安定さや不確実性があるほか、国内の需要もなお不十分で、地域や業種によっても回復にばらつきがあるため持続的な回復に向けた基盤を、さらに強化する必要がある」と述べ、持続的な回復に向けて経済の底上げの必要性を強調しました。
一方、劉報道官は「海外の感染状況が依然として厳しく、国際的な環境は不安定さや不確実性があるほか、国内の需要もなお不十分で、地域や業種によっても回復にばらつきがあるため持続的な回復に向けた基盤を、さらに強化する必要がある」と述べ、持続的な回復に向けて経済の底上げの必要性を強調しました。
コロナ感染防止関連の輸出増
中国では低迷していた海外への輸出額が、去年の同じ月と比べて先月まで4か月連続のプラスとなり、GDPを押し上げる要因の1つになっています。
特に、新型コロナウイルスの感染防止に関連する製品の輸出が伸びていて、ことし1月から9月までのマスクなどの繊維品は、去年の同じ時期に比べて37.5%増えました。
工場が集積する広東省東莞の塘厦地区では、新型コロナウイルスの感染が各地で拡大したことし1月以降、マスクや医療機器を新たに製造するメーカーが相次いでいます。
プロジェクターなどを生産していたメーカーの趙文発さんは、ことし1月下旬にマスクの生産を行うため、日本円で1億5000万円余りを投資し、今では1日に最大500万枚のマスクを生産しています。
当初は国内向けでしたが、中国での需要が減ったため、輸出への切り替えを進めていて、ヨーロッパや東南アジア、それに南米など向けの毎月のマスクなどの輸出額は15億円に上るということです。
輸出にあたっては、地元の政府の支援のもと100以上の企業が参加する輸出のための組織を設け、この組織を窓口として、それぞれの企業が販売先を開拓したということです。
各国の販売先の情報や輸出の許可を得る手続きを共有したり、流通ルートを共同で開拓したりして、各企業が輸出しやすくなるように取り組んでいるとしています。
趙さんは「以前は各企業が個々に営業していましたが、今は海外への輸出などに向けて協力しています。マスクなど、世界的に需要のあるものを届けていきたいです」と話していました。
特に、新型コロナウイルスの感染防止に関連する製品の輸出が伸びていて、ことし1月から9月までのマスクなどの繊維品は、去年の同じ時期に比べて37.5%増えました。
工場が集積する広東省東莞の塘厦地区では、新型コロナウイルスの感染が各地で拡大したことし1月以降、マスクや医療機器を新たに製造するメーカーが相次いでいます。
プロジェクターなどを生産していたメーカーの趙文発さんは、ことし1月下旬にマスクの生産を行うため、日本円で1億5000万円余りを投資し、今では1日に最大500万枚のマスクを生産しています。
当初は国内向けでしたが、中国での需要が減ったため、輸出への切り替えを進めていて、ヨーロッパや東南アジア、それに南米など向けの毎月のマスクなどの輸出額は15億円に上るということです。
輸出にあたっては、地元の政府の支援のもと100以上の企業が参加する輸出のための組織を設け、この組織を窓口として、それぞれの企業が販売先を開拓したということです。
各国の販売先の情報や輸出の許可を得る手続きを共有したり、流通ルートを共同で開拓したりして、各企業が輸出しやすくなるように取り組んでいるとしています。
趙さんは「以前は各企業が個々に営業していましたが、今は海外への輸出などに向けて協力しています。マスクなど、世界的に需要のあるものを届けていきたいです」と話していました。
若者は「節約志向」
景気が持ち直す中でも力強さを欠いているのが、飲食や衣料品などの個人消費です。
若者の間では「節約志向」が広がっていて、インターネット上の掲示板では、日々の出費をどのように抑えたかといった情報を共有するグループの参加者が、このところ急増しています。
掲示板には、
▽古くなったシャツをクッションカバーにして、再活用している写真や、
▽毎月の出費を一覧にして節約の状況を説明するなど、
毎日、数多くの投稿が寄せられています。
節約をテーマにした掲示板のグループの1つを管理している北京市の会社員、盧十四さん(36)によりますと、参加者は現在13万人余りいて、参加申請をして承認待ちの人が1万8000人いるということです。
盧さんは「毎日、参加申請をしてくる人が多すぎて、承認の処理が追いつかないほどです。参加者は、より現実的になっていて、無理をして消費の水準を維持する必要はないと考えているようです」と話していました。
掲示板が人気を集めている背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による雇用や収入への不安があると見られます。
ことし3月から掲示板を利用するようになったという北京市の31歳の会社員の男性は、職を失った人たちをニュースで見て不安になり、節約を始めたと言います。
以前は全く貯蓄をしていませんでしたが掲示板を見て、ほかの参加者の節約術を参考にしながら、なるべく安い食材を選んで自炊をしたり買い物をする時は、割引券で最も安く買い物できるサイトを探したりするなど、節約を重ねているということです。
男性は「幸運なことに、私の仕事への影響はありませんでしたが、感染の拡大は警告だと思いました。貯金があれば未来への希望が持てると感じますし、これからも節約を続けます」と話していました。
若者の間では「節約志向」が広がっていて、インターネット上の掲示板では、日々の出費をどのように抑えたかといった情報を共有するグループの参加者が、このところ急増しています。
掲示板には、
▽古くなったシャツをクッションカバーにして、再活用している写真や、
▽毎月の出費を一覧にして節約の状況を説明するなど、
毎日、数多くの投稿が寄せられています。
節約をテーマにした掲示板のグループの1つを管理している北京市の会社員、盧十四さん(36)によりますと、参加者は現在13万人余りいて、参加申請をして承認待ちの人が1万8000人いるということです。
盧さんは「毎日、参加申請をしてくる人が多すぎて、承認の処理が追いつかないほどです。参加者は、より現実的になっていて、無理をして消費の水準を維持する必要はないと考えているようです」と話していました。
掲示板が人気を集めている背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による雇用や収入への不安があると見られます。
ことし3月から掲示板を利用するようになったという北京市の31歳の会社員の男性は、職を失った人たちをニュースで見て不安になり、節約を始めたと言います。
以前は全く貯蓄をしていませんでしたが掲示板を見て、ほかの参加者の節約術を参考にしながら、なるべく安い食材を選んで自炊をしたり買い物をする時は、割引券で最も安く買い物できるサイトを探したりするなど、節約を重ねているということです。
男性は「幸運なことに、私の仕事への影響はありませんでしたが、感染の拡大は警告だと思いました。貯金があれば未来への希望が持てると感じますし、これからも節約を続けます」と話していました。