漫画「鬼滅の刃」持ち去られた温泉施設に手紙とともに返却

漫画「鬼滅の刃」持ち去られた温泉施設に手紙とともに返却
山口市の温泉施設から持ち去られた人気漫画「鬼滅の刃」が郵便で、反省のことばが書かれた手紙とともに施設に返されました。施設ではSNSで返却を呼びかけたところメッセージが拡散し、全国から漫画の寄付が殺到していました。
山口市の温泉施設「おんせんの森」では先月、休憩スペースに置いていた人気漫画「鬼滅の刃」20冊が何者かに持ち去られていましたが、今月13日になって漫画が入った小包が郵便で届き、いずれも施設のものを示すスタンプが押されていたということです。

施設側は持ち去られたことが分かった後、ツイッターにメッセージを投稿し「誰かが道を踏み外しそうになったら、皆で止めような」という漫画のせりふとともに「コソッと元に戻しておいてほしい」と返却を呼びかけていました。

すると、メッセージは次々と拡散され、全国から漫画の全巻セットなど、合わせておよそ210冊の寄付が届けられました。
こうした中、今月12日、施設に匿名の電話があり、漫画を返すことを伝えてきたということで、翌日届いた小包に同封されていた手紙には「読み終わったら返そうと思っていたやさきに大ごとになっており、怖くて返せなくなっておりました」などと反省のことばがつづられていました。

温泉施設の梅林威男取締役は「ここまで大きなことになるとは想定していなかった。私たちとしては、改心の声が聞けて漫画も戻ってきたので一件落着かなと思っています」と話していました。

施設では休憩スペースに返却された漫画を戻し、これまでに寄付されたものと合わせて、利用者に読んでもらうことにしています。

SNSで拡散 ひぼう中傷も

山口市の温泉施設によりますと、漫画が持ち去られたことを書いた投稿がSNSなどで拡散されると、持ち去った人と投稿した施設側の双方に対し、非難するコメントがインターネット上に数多く書き込まれたということです。

このうち、施設側に届いたメッセージには、「大ごとにしたくないならツイッター更新するんじゃねぇよ。バカ。死ね」などといった内容もあったということです。

このため施設側は、15日、ホームページのブログを更新しました。

この中で、漫画を持ち去った人に対しては「たくさんの厳しい意見が寄せられる中、大きな勇気をもって返してくれました」としたうえで「SNSは『無限の可能性があること』『時として人を傷つける刃となること』特に後者に関しては今回の件で私自身、身をもって経験をしました。ひぼう中傷で日に日に精神が削られているのを感じました。きっと、ご本人も同じ想いをしたことと思います。つらい想いをさせました」とつづっています。

そして「これ以上、その方に対して誹謗中傷をしないでいただけないでしょうか。この対応については、もちろん賛否があることと思います。しかしながら、私の本当の想いはご本人が改心をして本を返してくれることでした。ご本人が勇気を持って返してくれたということで、私の想いは遂げられました」と記しました。

ブログを書いた梅林威男取締役は「持ち去った人を擁護するわけではないが、電話の声は涙声で、本当に反省しているというトーンで謝罪してもらった。私たちは当初から、『こそっと返してもらい、改心してもらえれば納得する』と言っているので、そこは私も約束を守る。ここは私たちとその方の問題なので、これ以上追及する必要はないと思っている」と話していました。