大相撲 ほかの部屋の力士との稽古再開 コロナ影響で7か月ぶり

大相撲 ほかの部屋の力士との稽古再開 コロナ影響で7か月ぶり
新型コロナウイルスの影響で禁止されていた、ほかの部屋の力士どうしの稽古が16日に都内でおよそ7か月ぶりに再開され、横綱 白鵬や新大関の正代など、およそ20人の力士が参加しました。
日本相撲協会は感染拡大を受けて、観客を入れずに行われたことし3月の春場所後から、出稽古などの力士がほかの部屋で行う稽古を禁止していました。

相撲協会は16日から、東京 両国の国技館にある相撲教習所で合同稽古を行い、ほかの部屋の力士どうしの稽古をおよそ7か月ぶりに再開しました。

稽古には、右ひざなどのケガで2場所連続で休場している宮城野部屋の横綱・白鵬や時津風部屋の新大関 正代、千賀ノ浦部屋の大関 貴景勝など、PCR検査で陰性が確認された合わせておよそ20人が参加しました。

このうち正代は、貴景勝と合わせて10番、相撲を取りました。

正代が、優勝した秋場所のような立ち合いの力強さを見せたのに対し、貴景勝は、持ち味の力強い突き押しで押し出す相撲を見せていました。

一方、白鵬は相撲を取らず、すり足などの基礎運動を入念に繰り返したあと、十両の勢を相手に立ち合いの動きを何度も確認していました。

また、正代を指名し時折、笑顔を見せながら、およそ5分間ぶつかり稽古で胸を出していました。

この合同稽古は、今月22日まで相撲教習所で行われます。

横綱 白鵬「一緒に稽古できてよかった」

横綱 白鵬は「とにかく一緒に稽古できたのはよかった。ケガから帰ってきて、やることができて気分がいいね」と振り返りました。

手術をした右ひざの状態については「腫れがひかないので、ぎりぎりまで合同稽古に行けるかどうか体と相談をしていたが、間に合ったなという感じだ」と説明したうえで「30歳を超えて、どうしてもケガが増えてしまう。とにかく治して役割を務めたいという気持ちはあり、それに応えていきたい。横綱の勝ち越しは12勝だと思っているし、出るからには変な相撲を取れないという強い気持ちがある」と第一人者としてのきょうじを見せていました。

新大関 正代「部屋と違った緊張感いい刺激に」

新大関 正代は「自分の部屋の稽古で体験できない違った緊張感もあるので、いい刺激になると思う」と合同稽古初日の感想を振り返ったうえで「いい稽古ができた。まだ体が動いていないので、ここから徐々に動かして大関としてちゃんと稽古ができたらいいと思う。けがをせずに合同稽古にすべて参加できたらいいと思う」と話していました。

16日は、横綱 白鵬から大関昇進について、ことばをかけられたということで「『おめでとう』と言っていただいたのがうれしかった」と改めて喜びをかみしめていました。

大関 貴景勝「貴重な経験 ありがたい」

大関 貴景勝は「貴重な経験なので、しっかり自分のものにしたい。稽古場で体を作って、11月場所に向けて、いちばんいい自分で迎えられたらいいなと思う。体の状態を見てテーマを決めてやっていきたい」と心境を話しました。

他の部屋の力士との稽古が再開されたことについては「相撲協会とみんなが一丸にならないとできなかったと思う。こうした稽古をきちっと対策をしたうえで、できていると思うので、改めて本当にありがたいと思った」と話していました。