換気がそろそろツライ 冬でもしなきゃいけないの?

換気がそろそろツライ 冬でもしなきゃいけないの?
「換気がそろそろツライ…」「ドア全開で換気中のお店で冷えきった」。寒くて換気を嫌がる声があちこちから聞こえ始めてきました。新型コロナウイルス対策とはいえ、冬でも暖かい室内で快適に過ごしたいですよね。学校での現状や、メーカーの最新の換気商品、私たちが職場でできる対策に迫りました。(ネットワーク報道部記者 馬渕安代 加藤陽平 高杉北斗 SNSリサーチ 三輪衣見子)

寒さで換気がつらい

SNS上ではこの季節、新型コロナ対策とはいえ、寒さで換気がつらいという声が相次いで投稿されています。

すでに寒い 北海道の換気事情

本州より一足早く季節が進み、すでに峠や山では雪が降り、気温もマイナスを観測している、北海道の換気はどうなっているのか、調べてみました。

北海道内の小中高校には教育委員会から換気を徹底するよう通知が出されていました。
「換気はこまめに行うこと(30分に1回以上、数分間程度、2方向の窓を開けるなど)」。
真冬の北海道は、マイナス20度を下回ることもある寒さが厳しい地方です。

「寒そうですがそれでも換気が必要なんですね…」という記者の問いかけに、担当者は。
北海道教育委員会担当者
「寒い時期の換気は悩ましいかもしれませんが、『寒いのでやらない』という訳にはいきません。温度管理を適切にやったうえで換気をしてほしいと思います。道内の暖房設備は本州と比べて強力なので…」

寒くても換気しなくてはダメ?

寒さにガマンしながらも、換気しなければいけないのか?

厚生労働省の機関で換気の方法について提言を策定してきた北海道大学の林基哉教授は、やっぱり「寒くても換気は必要」と答えてくれました。
林教授
「多くの人がいて、換気の悪い空間は、新型コロナウイルスの感染リスクが高まります。クラスターが発生した場所の調査でも、換気の悪さが原因の1つとされています。換気によって空気中のウイルスを外に出すというのが基本的な対策です」
しかし、寒い冬に窓を全開にして換気するのは現実的ではないと言います。肌寒い札幌市にある大学から研究室の窓を1センチだけ開けてオンライン取材で答えてくれました。
林教授
「厚生労働省が推奨している1時間に2回、窓を全開にして換気をするというのは正直に言って真冬では現実的ではありません。雪が降っていたらもっと難しいですよね」

快適な冬の換気の方法は

寒くて体調を崩してしまっては本末転倒です。どうしたら室温を下げず、快適に冬の換気ができるのか。
さらに聞いてみました。
1.廊下を活用 2段階方式の換気を!

換気する際に、学校の教室や自宅の寝室などの生活空間に直接冷たい空気が流れ込むと寒さをより感じてしまいます。

まず、廊下に外の空気を取り入れ建物全体の温度で外気を暖めたあとに、部屋の窓や扉を開けて生活空間の空気と入れ替える「2段階方式」をとることで、寒さを和らげることができます。
2.窓を少し開けて常時換気を!

真冬の寒い時期や雪が降る状況で、1時間に2回、窓を全開にして換気すると室温が急激に下がってしまいます。

暖房をつけながら、窓を少し開けて、常時換気しておくことで、室温を保ちながら換気することができます。

また、24時間の自動換気システムがある建物では、窓を開けずに建物内の空気を入れ替えることができるので有効です。
3.湿度も注意を!

窓を開けると湿度が下がるので注意してください。湿度が低い空間ではウイルスが飛散しやすくなるため、湿度を保つことが重要です。

実は、湿度と新型コロナウイルスの活動の関係はまだはっきりわかっていないのですが、一般的に湿度が下がることで、のどの粘膜の働きが弱くなってしまうため、加湿器を使った保湿対策もポイントです。

メーカーも続々と「換気」商品

換気するためには窓を開けるのがいちばんとは言うものの、でも寒い。少しでも寒さを避けて換気ができないか、空調機器メーカーも対応を進めています。
エアコンは、室外機があるため換気をしているように思えるのですが、実は、ほとんどの機種が室内の空気を暖めて再び室内に戻しているため換気ができていません。

このため、ダイキン工業は換気できるエアコンを開発し、いまその種類を増やしています。
このエアコンは、室外機から外気を取り込んでそれを暖めて室内に放出するため、室内を冷やすことなく換気ができるということです。

このほか、三菱電機は二酸化炭素を検知する機能をつけた換気扇を開発しました。

人が密集して二酸化炭素の濃度が高まるとセンサーが反応し、自動で急速運転を始めて換気を進めるということです。

コロナ対策の暖かグッズも

そうは言っても換気で寒くなってしまう場合もあります。私たちができる寒さ対策はどんなものがあるのでしょうか。東京渋谷区の大型雑貨店「ロフト」をのぞいてきました。
この店舗では、例年10月から店内に体を暖める雑貨を集めたコーナーを開設しています。ことしは例年より早く売れ始め、売り上げは去年より20%ほど増えているということです。
新型コロナの流行に合わせた新商品が、口だけでなく首や耳まで覆うことができるフリース地の「マスク」です。口元が開くようになっているため、マスクをしたまま温かい飲み物を飲むこともできます。
さらに、「毛糸のマスク」も新たに販売されています。中にフィルターをはさんで使うため、飛まつ対策もされていて、特に人気を集めている商品だということです。
ほかにも手袋やベストなどに電気式のヒーターが入った製品や、足首や手首をあたためる雑貨も人気だということです。

例年とは違うこの冬。
換気をしっかりしつつ、さまざまな工夫で、快適に乗り切りたいですね。