「アビガン」新型コロナ治療薬として国の承認求める申請

「アビガン」新型コロナ治療薬として国の承認求める申請
インフルエンザの治療薬「アビガン」について、薬を開発した会社は16日、新型コロナウイルスの治療薬として国の承認を求める申請を行ったと発表しました。
「アビガン」は、富士フイルム富山化学が開発した抗ウイルス薬で、新型インフルエンザの治療薬として承認されていて、新型コロナウイルスでも治療効果が期待されています。

会社は先月、新型コロナウイルスの患者を対象にした治験の結果を発表し、薬を投与することで、症状が改善してPCR検査で陰性になるまでの期間が2.8日短縮される効果が確認できたとしました。

また、治験ではこれまで知られている以外の副作用は見られず、安全性に関する新たな懸念はなかったということです。

この結果を受け会社は、16日、アビガンについて新型コロナウイルスの治療薬として正式に承認を得るため厚生労働省に申請を行ったと発表しました。

富士フイルムグループは「新型コロナウイルスの患者に1日も早く治療薬を届けることで、感染拡大の抑止や流行の終息に貢献していきます」とコメントしています。

新型コロナウイルスの治療薬は、これまでにエボラ出血熱の治療薬として開発が進められた「レムデシビル」が承認され、ステロイド剤の「デキサメタゾン」が推奨されています。

田村厚労相「安全性や有効性精査し判断」

田村厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で「安全性や有効性をしっかりと精査したうえで、最終的に承認するかを判断したい。どれくらい時間がかかるかは、データの内容を見ないと分からないが、緊急事態であると認識しており、しっかり精査させてもらう」と述べました。

加藤官房長官「データを踏まえて審査へ」

加藤官房長官は16日午後の記者会見で「今後、厚生労働省で審査を行い、安全性と有効性が確認されれば承認されることになる。医薬品の承認申請にあたっては、申請データに基づき、有効性や安全性を確認し評価していく。どういうデータが出てきているのかも踏まえて、審査がなされていくと思う」と述べました。