魅力度ランキング 茨城が最下位から浮上の秘訣は?

魅力度ランキング 茨城が最下位から浮上の秘訣は?
毎年、秋に話題を集める都道府県の魅力度ランキング。7年連続で最下位に甘んじてきた茨城県が、ことしは42位に浮上しました。官民をあげて魅力の向上を目指してきた茨城県。順位を上げた秘訣や背景について、調査会社や茨城県に聞きました。(水戸放送局記者/鈴木瞬 ネットワーク報道部記者/目見田健 出口拓実 吉永なつみ)

悲願の“ビリ県”脱出

民間の調査会社「ブランド総合研究所」が、毎年秋に発表している「都道府県の魅力度ランキング」。

去年まで7年連続で最下位だった茨城県では、ことしのランキング発表を県庁職員が固唾を飲んで見守っていました。
「あーー!42位だ!」
「順位はあがったけど、まだまだですね」

これまでの最高だった46位を上回る快挙で、職員たちはひとまずほっとした様子。
「茨城県 魅力度42位で最下位脱出」

NHK水戸放送局も速報として伝えました。

ネット上には自虐コメントも

SNS上では、喜びの声が上がると同時に“自虐的”なツイートも。
「茨城県が予算を組んでがんばった甲斐があった」
「嬉しいより複雑な気持ち笑。最下位の茨城が好きなんです笑」
「最下位が魅力。茨城唯一のアイデンティティ」

どんな調査なの?

調査を行った「ブランド総合研究所」の田中章雄社長に聞きました。

都道府県を対象とした調査は平成21年から行っていて、各地の魅力度などについてインターネットで質問しています。ことしは3万1734人から有効回答を得ました。
調査で提示した地域について「どの程度魅力を感じるか」と質問し、「とても魅力的」から「まったく魅力的でない」までの5段階で評価してもらい、その結果を加重平均してランキングのスコアを算出しています。

田中社長が注目したのは茨城県のスコアの上昇幅です。
全国で3番目の大きさでした。
「とても魅力的」「やや魅力的」と回答した人の割合は、前の年の16.5%から21.3%へと大幅に上昇。

「とても魅力的」と答えた人の割合を年齢別に見ると、20代が前年の3倍以上の7.8%に増えたほか、40代、50代でも大きく伸びました。

田中社長は新型コロナウイルスの流行や自治体の取り組みが背景にあるのではないかと指摘しています。
田中社長
「40代では茨城県内の地名のついた農林水産品の認知度が大幅に上昇していました。新型コロナの影響で遠出をせず自宅で食事する機会が増えたため茨城県特産の野菜や果物などを買う際に茨城を意識する機会が増えたのではないかと考えています」
また、茨城県に関連したドラマや映画・アニメなどで茨城の情報に接したと答えた人も増えたということです。
田中社長
「外出自粛の動きが広がり、特に20代ではドラマやアニメなどを通して茨城県に接した人が多かったと推察できます。また、茨城県がYouTubeを使った独自の情報発信や対戦ゲームを競技として行う『eスポーツ』の振興を図っていることなども影響している可能性があります」

茨城県はどう動いた?

最下位の汚名を返上すべく、あの手この手で魅力向上に取り組んできた茨城県。

3年前まで行っていたのは最下位を逆手にとった、いわば“自虐ネタ”でのイメージアップ作戦でした。
地元出身のタレントなどを起用したポスターを多く貼り出しましたが…。
茨城県の担当者
「当時はメディアにも取り上げられたんですけど魅力度ランキング上昇には結び付かず、最下位のままでした…」

“刺さる”情報発信を

そこで戦略を転換。
茨城県が取り組んだのが「好きな人には“刺さる”」情報発信です。
架空のキャラクターがネット動画を発信する「バーチャルユーチューバー」の人気に着目し、2年前、全国の自治体で初の公認バーチャルユーチューバー「茨ひより」を誕生させました。
ねらいは、一方的な情報発信ではなく、動画を見る人たちとの交流を生み出すことでした。

茨城県はこれまで観光地や特産品を紹介する動画を1万本近く制作し、インターネット上で公開してきましたが、再生回数はいずれも数千回ほどと伸び悩み、成果が出ない状況が続いていたからです。

そこで「茨ひより」が動画を見る人たちから意見や感想を募ったところ、「茨城県の特産品を紹介してほしい」「茨城県を応援しています」などと多くの声が寄せられるようになりました。

「茨ひより」の動画は、多いものでは数十万回も再生されるようになり、県内外の人たちとの交流を広げるきっかけになっています。

最近では「茨ひより」が世界的なヒットとなったゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」を楽しむ動画を投稿して話題を呼びました。

全国の都道府県で初めて「TikTok」の公式アカウントも作成。県内の絶景スポットや特産の納豆を使った料理などをアピールしています。
メディアでの露出度を高める効果的な情報発信にも力を注ぎました。

メロンの生産量全国1位を誇るものの、ことしは新型コロナウイルスの影響で初夏に盛んなメロン狩りに観光客を呼び込めず、苦戦していました。

そこで企画したのが、オンラインのメロン狩り。テレビや新聞、インターネットの記事などで広く報じられました。
広告代理店の試算では去年、テレビや新聞、インターネットなどで茨城の話題が取り上げられた回数などを広告費に換算すると、その額、およそ123億円。

県が広告に計上した予算はおよそ4300万円でしたので、約300倍もの宣伝効果が得られたのです。
また、ことし7月には、官民が連携して「いばらきビリ県脱出連絡会議」も発足し、さらなる魅力の発信を目指しています。

もっと伸びるぞ!茨城県

ランキング1位を目指している茨城県の大井川知事は。
大井川知事
「茨城県の潜在能力は、非常に大きいと実感していますので、42位なんていう数字じゃなくて、もっともっと伸びる県だと私は確信しております」
ことし初めて最下位となったお隣の栃木県に対しては。
大井川知事
「去年までずっと47位でしたので、お気持ちはわかります。『あまり気にしないでください。一喜一憂しないでください』ってお伝えしたいです」