顔の動画撮って脈拍など測定 千葉大学などスマホアプリ開発

顔の動画撮って脈拍など測定 千葉大学などスマホアプリ開発
新型コロナウイルス対策として注目が集まる「オンライン診療」の質を高めようと、千葉大学などの研究グループは、顔色を正確に補正したり、顔の動画を撮るだけで脈拍や呼吸の数などを測ったりできる、スマートフォン向けのアプリを開発しました。
新たなアプリを開発したのは千葉大学大学院の津村徳道准教授らを中心とする研究チームで、オンライン診療で問診する際、課題だった画像の色のばらつきや情報量の少なさを補おうと研究を進めてきました。
このアプリでは、患者が専用のカラーチャートと一緒に顔や舌の写真を撮ると、画像の色が自動的に補正される仕組みで、医師が体調や症状を判断する参考にすることができます。

また、血中の酸素を運ぶヘモグロビンを画像に映し出す技術を応用し、患者が30秒間、自分の顔の動画を撮影すると、ヘモグロビンの量の増減をもとに脈拍数なども計測できます。

さらに、心拍の間隔のわずかな変化を捉えることで、呼吸数や交感神経と副交感神経のバランスも把握でき、ストレスチェックにも役立てられるということです。

研究チームの金沢大学付属病院漢方医学科の小川恵子臨床教授は「オンライン診療をうまく使えば感染リスクを下げることができるうえ、気になったらすぐに診療を受けることもでき、早期の症状発見につながる」と話しています。

今後、研究チームはアプリを保健所や病院などに試験的に導入しながら普及を目指したいとしていて、千葉大学の津村准教授は「今後データを積み重ねる必要があるが、新型コロナウイルスの次の感染拡大に備えて医療崩壊が起きないよう、きちんと技術を提供していきたい」と話していました。