大学共通テスト 健康観察中でも無症状なら受験可 政府分科会

大学共通テスト 健康観察中でも無症状なら受験可 政府分科会
新型コロナウイルス対策を話し合う政府の分科会で、来年から実施される大学入学共通テストでの感染防止策がおおむね了承されました。保健所から濃厚接触者とされ、14日間の健康観察中の受験生でも、当日に無症状の場合は受験を認めるなどとしています。
15日の会合では、大学入学共通テストが来年から実施されるのを前に、文部科学省がまとめた感染防止策の案がおおむね了承されました。

それによりますと、保健所から濃厚接触者とされ、14日間の健康観察中の受験生でも、当日に無症状の場合などは受験を認めるとしています。

一方で、当日に37度5分以上の発熱がある受験生は後日行われる追試験の受験を検討するよう求めるとしています。また、試験会場では座席の間を1メートル程度確保するなどとしています。

専門家からは、無症状の濃厚接触者が受験する際は、トイレや会場内の移動経路を分けることなどが提案されました。

このあと、西村経済再生担当大臣は、記者団に「いろいろなケースを想定したうえで、文部科学省で、しっかり対応してもらいたい」と述べました。

日本医師会常任理事「体調悪い時は試験場に行かないで」

日本医師会の釜萢敏常任理事は「学生にとって、受験は人生の大事な時期でもあり、感染状況がどうであっても機会を確保できるよう、最大限の努力を払わなければならない。いろいろな対策を講じることで仮にある地域で感染が拡大したとしても、なるべく試験は予定どおりに行うべきだ。ただ、受験生本人の体調が悪い時には、くれぐれも試験場に行かないということは徹底してほしい」と述べました。

分科会 尾身会長「適切な対策 講じられていると判断」

分科会の尾身茂会長は「受験生の場合、会場にいる人が特定されていて、全員がマスクをするなど専門家の視点からみても適切な感染対策が講じられていると判断した」と説明しました。

横浜でのプロ野球の試合「制限上回る観客」実証実験も決定

また会合では、イベントの開催制限をめぐり、今月末から3日間、横浜スタジアムで行われるプロ野球の試合で、制限を上回る観客を入れた場合の感染防止策やその効果を確認する実証実験を行うことが決まりました。

分科会に出席した鳥取県の平井知事は、横浜スタジアムで行われる実証実験について、「実験は大歓迎だが、球場で野球を見る時ではなく、その後にみんなで飲みに行くことのほうが感染リスクは高いと思うので十分な分析につながる実験にしてほしい」と述べました。

また、観光需要の喚起策、「Go Toトラベル」については、「現場としては、これによって感染が増えている感じはないが、引き続き、国民に行動変容を求めるとともに、地域に応じた対策を効果的に打てるよう、国と協力して進めたい」と述べました。

西村経済再生相 来月1日 上限100%に設定

西村経済再生担当大臣は15日夜、記者会見し、大学入学共通テストでの感染防止策について「専門家からは『感染が急激に増加する地域が出たとしても受験できるような対応をとってもらいたい』などという意見が出された。文部科学省でしっかり対応し実施していくことになる」と述べました。

また、イベントの開催制限をめぐり、横浜スタジアムでのプロ野球の試合で行われる実証実験については、観客の収容率の上限を
▽今月30日に80%、
▽31日に90%、
▽来月1日に100%とそれぞれ設定する予定だと明らかにしました。

そのうえで「ほかの球団でも実証実験の実施を調整しているところがあり、多くのデータや実績を踏まえイベント開催の基準や業界ごとの感染防止のガイドラインを進化させたい」と述べました。