巨額の経済対策による借金 世界全体で過去最悪の水準に

巨額の経済対策による借金 世界全体で過去最悪の水準に
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新型コロナウイルスによる景気の悪化に対処するため、各国が巨額の経済対策を実施した結果、借金にあたる公的債務は世界全体で過去最悪の水準に膨らむ見通しになったことがわかりました。
IMF=国際通貨基金は14日、世界の財政報告書を発表し、ことしの世界全体の公的債務がGDP=国内総生産の合計に対して、過去最悪の水準の98.7%まで膨らむ見通しを明らかにしました。

これは、世界の国が1年間に作り出す富とほぼ同じ規模まで借金が積み上がることを示しています。

公的債務の急激な増加は新型ウイルスの感染拡大で景気が急速に悪化するなか、各国が相次いで巨額の経済対策を実施したためで、国別に見ますと特に経済規模の大きい国で債務が増えています。

GDP対比では
▽日本が266%、
▽アメリカが131%、
▽ユーロ圏は101%、
▽中国が61%と、
もともと債務の大きかった日本は突出して高くなっています。

また、IMFは途上国でも債務が膨らんでいるとして、返済の過度な負担は今後の回復の支障になると指摘しています。

IMFは危機対応のための財政出動を評価する一方、「限られた予算でより多くのことを成し遂げる必要がある」とも指摘していて、各国は景気回復に取り組むなか、効率的な財政運営も問われることになります。