デジタル人民元 市民がスマホで支払う実験始まる 中国 広東省

デジタル人民元 市民がスマホで支払う実験始まる 中国 広東省
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紙幣や硬貨と同じように使える電子的な通貨「デジタル通貨」をめぐって、中国・南部の広東省で、一般の市民がスマートフォンでデジタル通貨を支払いに使う初めての実証実験が始まりました。
実験は、中国の中央銀行、中国人民銀行と広東省深※セン市の政府などが、12日から始めました。

実験では、紙幣や硬貨と同じように使える電子的な法定通貨、「デジタル人民元」を、1人あたり200人民元、日本円にしておよそ3000円ずつ、抽せんで5万人の市民に配りました。

当選した市民は、スマートフォンの専用のアプリをダウンロードすることでデジタル人民元を入手でき、10月18日までの期間中、市内の3000店舗余りでQRコードを使って支払いに利用できます。

12日夜、早速利用した29歳の女性は、「既存のアプリのQRコード決済と同じ感覚で使用できて、より安全性が高いように思う」と話していました。

中国人民銀行がデジタル人民元を広く一般の市民に配って実証実験するのは初めてで、決済システムの検証を進めて発行に向けた準備を加速させたい考えとみられます。

デジタル通貨は、日銀やECB=ヨーロッパ中央銀行など各国の中央銀行も研究を行っていて、中国の動向は各国の取り組みにも影響を与えそうです。

※センは土へんに川

「デジタル通貨」 各国中央銀行も研究

中央銀行が発行する「デジタル通貨」は、中国が先行する形で各国の中央銀行でも研究が進められています。

日銀は、10月9日、「現時点で発行する計画はない」としつつ、具体的な検討を行う必要があるとして来年度の早い時期に日銀内で第1段階の実証実験を始めることを目指すと発表しました。

また、ECB=ヨーロッパ中央銀行やスウェーデンの中央銀行なども研究を進めているほか、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会も研究や実験を行う方針を明らかにしています。

各国の中央銀行の動きが活発になった背景には、アメリカのIT大手、フェイスブックが国境を越えて送金などに使える暗号資産の一種、「リブラ」を発行する計画を打ち出したことがあります。

ただ、「リブラ」に対しては広く普及した場合に既存の通貨の役割を低下させるといった懸念も相次ぎ現時点では、具体的な発行の時期は見えていません。