国が水害対策を転換「流域治水」とは… 台風19号被害から1年

国が水害対策を転換「流域治水」とは… 台風19号被害から1年
台風19号による記録的な豪雨災害から12日で1年です。大規模な浸水被害が相次いだことをきっかけに、国は治水対策を転換したほか、氾濫の危険性の伝え方についても改めることになりました。

「流域治水」へ転換

台風19号の大雨では千曲川や阿武隈川など、国が管理する大規模な河川でも堤防が相次いで決壊しました。

川を流れていた水の量は、ダムや堤防などハード整備を数十年後に終える段階での目標をも上回っていました。

このため国がことしから打ち出したのが「流域治水」という対策です。

ダムや堤防で川の水を制御するだけではなく、「遊水地」を設置して、あえて川をあふれさせることで下流での大規模な氾濫を防ぐなど、流域全体で水を受け止め、水害を減らすことを目指しています。場合によっては住宅の移転も伴い、治水対策にとっては転換といえます。

この「流域治水」の取り組みは、北海道から九州まで全国109の水系で進められていますが、住宅の移転には住民の負担も大きく、上流側と下流側、双方の住民などの理解をえて進められるかが課題です。

“氾濫の危険性”呼びかけ方を変更

また、去年の台風19号では川の流域全体で大雨になったことから、気象庁が大雨の特別警報を解除したあとに川が氾濫するケースが各地で相次ぎました。

大雨の特別警報の解除が「洪水の危険性が去った」と受け止められ、避難先から自宅に戻る人が多くいたことから、国土交通省と気象庁は、ことしから大きな河川で氾濫の危険性が高まっている場合の呼びかけ方を変更しました。

まず、特別警報の「解除」を「切り替え」と表現したうえで、利根川や阿武隈川などといった大きな河川では、最大で24時間先までの水位の上昇の見込みなどを示す情報を発表し、大雨のピークが過ぎたあとも、氾濫への警戒を呼びかけることにしています。

実際に、ことし7月上旬には、熊本県など九州の各地や長野県や岐阜県でも大雨の特別警報が出されましたが、特別警報を切り替える際には、国土交通省と気象庁が合同で記者会見を開き、大雨のピーク後も川の氾濫に警戒するよう強く呼びかけました。