アメリカで新型コロナ感染再拡大 中西部では野外病院も

アメリカで新型コロナ感染再拡大 中西部では野外病院も
アメリカでは、1日あたりの新型コロナウイルスの感染者数が再び増加していて、特に感染の拡大が深刻な中西部ウィスコンシン州では野外に臨時の入院施設を設置して、患者を受け入れるなど、ぎりぎりの対応を迫られています。
アメリカABCテレビなどの分析によりますと、今月8日現在、アメリカでは28の州で新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあり、検査で陽性が判明する人の割合も25の州で増加しています。

中でも、感染の拡大が深刻な中西部のウィスコンシン州では8日、1日に報告された感染者の数が3000人を超え、入院患者の数も急増しています。

保健当局のまとめでは、州内にある医療機関の、空いているベッドの割合は20%以下となっていて、一部の地域では緊急以外の手術を中止することも検討されています。

医療機関の負担を減らすため、ウィスコンシン州のエヴァース知事は、州内最大の都市、ミルウォーキーにある野外のイベント会場に530人分の臨時の入院施設を作り、患者を受け入れると発表しました。

このほか、東部のニューヨーク州やニュージャージー州でも1日あたりの感染者数がことし5月以来、最も多くなるなど、冬を前に、感染の拡大が顕著になっています。

NIH=国立衛生研究所のファウチ博士は8日の講演でアメリカの感染状況について、「とても心配だ。ここで対処しないと、我々は非常に厳しい冬を迎えることになる」と述べ、マスクの着用など、基本的な感染対策をあらためて呼びかけました。