北海道 寿都町が文献調査に正式応募 「核のごみ」最終処分場

北海道 寿都町が文献調査に正式応募 「核のごみ」最終処分場
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原子力発電所の使用済み核燃料から出る、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、北海道寿都町は9日、第1段階となる「文献調査」に必要な書類を提出して正式に応募しました。
国が3年前に、調査対象になる可能性がある地域を示した全国地図「科学的特性マップ」を公表して以降、自治体の応募は初めてです。

北海道寿都町の片岡春雄町長は、9日午前、東京 港区にある国の認可法人NUMO=原子力発電環境整備機構を訪れました。

そして、使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定に向けた3段階ある調査のうち、第1段階にあたる「文献調査」の書類を手渡し正式に応募しました。

書類を受け取ったNUMOの近藤駿介理事長は「大変丁寧な議論を町の皆さんと進め、書類を提出していただき、心からお礼申し上げる。国の重要な事業への勇気ある取り組みに心から敬意を表したい」と述べました。

片岡町長は「これからのほうが大事だと考えており、ご指導をお願いしたい」と話していました。自治体の応募は国が3年前(2017年)に調査対象として可能性がある地域を示した全国地図、「科学的特性マップ」を公表して以降、初めてです。

2007年に高知県東洋町が応募したケースがありますが、住民の反対運動などで応募は取り下げられました。

NUMOは今後、寿都町で文献調査ができるか確認したうえで、問題がなければ国の認可を得て2年程度かかる文献調査に入ります。

また、同じく文献調査を検討している北海道神恵内村については国が、9日午後にも調査の申し入れを行うことにしています。

村が受け入れれば、寿都町と同様に調査の手続きが進むことになり、長年、行き詰まっていた最終処分場の選定に向けたプロセスが、北海道の2つの自治体で動き出すことになります。

しかし、一部の住民から反対の声が上がっているほか、第2段階の調査に進むことに北海道知事が反対する意向を示しています。

文献調査 2年で合わせて最大20億円が交付

第1段階の文献調査では2年で合わせて最大20億円が交付されますが、道の同意が得られず、その後の調査が進められなくなる可能性もあり、多額の交付金の意義や住民や関係自治体の理解をどう得ていくかなど、引き続き課題となっています。

梶山経済産業相「国として敬意と感謝」

いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、北海道寿都町が選定の第1段階となる「文献調査」に正式に応募したことについて、梶山経済産業大臣は「町内で議論を積み重ねて今回の判断に至ったことについて、国として敬意と感謝を表したい。今後のプロセスを進めるにあたっては、地域の皆様と丁寧にコミュニケーションをとりながら、理解や議論をさらに深めてもらえるよう国としてしっかり取り組みたい」と述べました。

また、寿都町の片岡春雄町長との面談のあと、梶山経済産業大臣は記者団に対し「今回の判断を国として大変重く受け止め、敬意と感謝の意を表したい。町長とはしっかりとコミュニケーションをとりながら、今後の進め方を検討したい」と述べました。

さらに梶山大臣は、片岡町長から反対する人たちの意見も聞くことで、町の将来を考えるきっかけにしたいという話があったことを明らかにしたうえで「町長の意向に沿う形で私たちも協力したい」と述べ、住民との協議の場を設けるなどして議論を深めていく考えを示しました。

NUMO理事長「1センチ前に出るきっかけになった」

NUMO=原子力発電環境整備機構の近藤駿介理事長は、書類を受け取ったあと報道陣の取材に応じ、「福島第一原発の事故の反省も踏まえて、地域社会の同意のもとに取り組みを進めようと、全国各地で車座方式の説明会などを地道に進めてきた。こうした自治体が出てくる環境を少しは整備できた。何もないところよりは、1センチ前に出るきっかけになったと考えている」と述べました。

北海道知事が第2段階の調査に進むことに否定的な意見を述べていることについては「知事にしても、議会にしても、民意を大事にしていると思うので、引き続き丁寧に対話を続けてくことが重要だと思っている」と述べました。

また、一部の住民から反対が出ていることについては「文献調査は学習をスタートさせること。これから新しい対話が始まるし、始めないといけない。いま時点での困難は当然認識したうえで、皆さんと協議して議論を深めたい」としています。