トランプ大統領に投与の新型コロナ治療薬 製薬会社が許可申請

トランプ大統領に投与の新型コロナ治療薬 製薬会社が許可申請
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アメリカのトランプ大統領に投与された新型コロナウイルスの抗体医薬について、この薬を開発している製薬会社リジェネロン社は7日、正式な承認前でも緊急に使えるようにする許可を規制当局に申請したと発表しました。
この薬は、リジェネロン社が新型コロナウイルスの治療薬として2種類の抗体を組み合わせて人工的に作りだした「カクテル抗体」と呼ばれる抗体医薬で、現在、臨床試験が進められています。

この薬についてリジェネロン社は初期の臨床試験の結果、投与された患者のウイルス量が減少し、症状が軽くなるまでの期間も短縮される効果がみられたとして、7日、正式な承認前でも緊急に使えるようにする許可をFDA=食品医薬品局に申請したと発表しました。

この薬は新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領に投与されたことでも知られ、トランプ大統領は7日、「無料で手に入るようにする」と述べていました。

リジェネロン社は大統領への投与と今回の申請のタイミングは関係ないと説明していますが、現時点でおよそ5万人分、今後数か月のうちに、30万人分を用意できる見通しだとしています。

同社のクリストス・カイラツォス博士はNHKのインタビューで「アメリカ以外の複数の国の規制当局ともすでに使用に向けた交渉を始めている」と話しています。

抗体医薬 別の製薬会社も許可申請

新型コロナウイルスの抗体医薬を巡っては、アメリカの製薬会社イーライ・リリー社も7日、開発中の薬の緊急使用の許可をFDAに申請したと明らかにしました。

この抗体医薬は、人工的に作り出した1種類の抗体を投与するもので、これまでの臨床試験の結果では投与された患者の入院のリスクが低くなったり、ウイルスの量がより早く減少したりしたとしています。

イーライ・リリー社は2種類の異なる抗体を組み合わせて投与するタイプの抗体医薬についても、早ければ来月に緊急使用の許可を申請することにしています。