2度目の夢かなわず 東京五輪 93歳 聖火ランナー死去 千葉 君津

2度目の夢かなわず 東京五輪 93歳 聖火ランナー死去 千葉 君津
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新型コロナウイルスの影響で東京オリンピックの開催が来年に延期される中、1964年の東京大会に続いて2度目の聖火ランナーに選ばれていた千葉県内で最高齢の男性が93歳で亡くなりました。
千葉県君津市の鳥海勲さん、93歳は、来年に延期された東京オリンピックの聖火リレーで県内で最高齢のランナーとして選ばれていました。

長男の和彦さんによりますと、鳥海さんは陸上一筋で、大学時代には箱根駅伝を2度走り、地元の高校の教諭となったあとは、陸上部を指導し25年連続で全国大会に導きました。鳥海さんが37歳の時に開催された前回1964年の東京オリンピックでは、こうした実績が評価されて聖火リレーを走り、そのときのトーチは鳥海さんの部屋で大切に保管されてきました。
その後もマスターズ陸上で日本記録を打ち立てるなど、一貫して陸上に関わってきましたが「聖火リレーの感動をもう一度感じたい。そして、同じ世代の高齢者に勇気と元気を与えたい」と再びランナーに応募しました。
選ばれたあとは、足を鍛えるなど体力作りを続け、新しいシューズも用意して、2度目の晴れ舞台を心待ちにしていたということです。

東京大会の延期を聞いた際には「そうか」と答え残念そうな様子だったということで、その後、体調を崩し、先月30日に心不全で亡くなりました。
車いすを押して一緒に走る予定だった和彦さんは「常に前向きで陸上競技が大好きで100度のお湯のような熱い人だった。本番が来たら、車いすに乗らずに父親だけで走っていた気がします。聖火リレーは走れなかったが、みんなで父親を応援してきて家族や教え子など父親を知る全員が1つになることができた」と話していました。
沿道での応援の準備を進めていた陸上部の教え子の1人、鈴木篤さんは「技術よりも生き様を教わりました。長男の和彦さんに遺影を抱いて聖火リレーを走ってもらいたい」と話していました。

千葉県オリンピック・パラリンピック推進局によりますと、鳥海さんの代わりのランナーは未定で、今後、君津市や組織委員会と相談したうえで推薦を行い、決定されるということです。

家族や教え子たちは、もし代走がかなわなくても応援などの形で鳥海さんの思いを引き継ぎたいということです。