東京都「モニタリング会議」警戒レベル 上から2番目の表現維持

東京都「モニタリング会議」警戒レベル 上から2番目の表現維持
東京都内の新型コロナウイルスの感染状況などを分析・評価する「モニタリング会議」が開かれ、専門家は、感染状況と医療提供体制の警戒のレベルについて、上から2番目の表現を維持しました。
会議のなかで国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、都内の感染状況について「感染の再拡大に警戒が必要であると思われる」と評価しました。

これは4段階ある警戒のレベルのうち上から2番目の表現で、この表現を維持するのは5週連続です。

都内の新たな感染の確認は、7日までの7日間の平均でおよそ162人と前の週のおよそ184人から減少しているものの、大曲センター長は「経済活動が活発化するなかで、感染拡大のリスクが高まる」と述べ、警戒を呼びかけました。

一方、医療提供体制については「医療機関への負担が強い状況が長期化しており、入院患者や重症患者の人数の推移に引き続き警戒が必要だ」とコメントしました。

そのうえで、「体制強化が必要であると思われる」という4段階あるレベルのうち、上から2番目の表現を14週連続で維持しました。

専門家の分析は

8日のモニタリング会議の中で示された、都内の感染状況と医療提供体制についての分析結果です。

感染状況

まず、感染状況についてです。

新たな感染の確認は7日までの7日間の平均でおよそ162人となり、前の週から22人減りました。

年代別の割合は、今月5日までの1週間で
▽20代が最も多く25.9%でした。
▽30代で20.4%、
▽40代が15.8%、
▽50代が12.3%、
▽60代が6.8%、
▽70代が6.7%、
▽10代が4.3%、
▽80代が4%、
▽10歳未満が2.9%、
▽90代以上が1.1%です。

前の週に比べて40代が減少し、70代と80代が増加しました。

また、65歳以上の高齢者の割合は14.4%で、増加傾向が続いています。

また、感染経路がわかっている人のうち
▽家庭内での感染が30.2%で少なくとも10週連続で最も多くなったほか、
▽次に多い施設内は16.7%で前の週より6ポイント増加しました。

このほか、
▽会食は13.2%、
▽職場内は13%、
▽夜間営業する接待を伴う飲食店は3.5%でした。

専門家は「家庭内での感染が最も多い傾向は変わっていない。シェアハウスのほか、職場や施設、会食での感染も多数報告されている。人と人が密に接触すること、マスクを外して飲食や飲酒を行うことなどに注意し、基本的な感染防止対策を徹底することが重要だ」と指摘しました。

医療提供体制

続いて、医療提供体制です。

7日時点での入院患者は976人で、1週間前・先月30日の時点より189人減っています。

7月23日以来、およそ2か月半ぶりに入院患者が1000人を下回りましたが、専門家は「依然として高い水準にあり、医療機関への負担が強い状況が長期化している」と指摘しています。

また、都の基準で集計した重症患者は7日時点で24人で、1週間前から3人増えました。

7日の24人を年代別にみると、
▽50代が6人、
▽60代が6人、
▽70代以上が12人で、

性別では、
▽男性が20人、
▽女性が4人でした。

また、今月5日までの1週間で都に報告された亡くなった人7人のうち、6人が70代以上でした。

小池知事「旅行先でも防止対策徹底を」

東京都の小池知事はモニタリング会議のあと「高齢者の感染が増加傾向で感染経路は施設内が多い。20代30代の会食による感染も多数報告されている。『親しき仲にもマスクあり』ということをぜひ覚えておいていただきたい」と述べました。

そのうえで「人の流れや経済活動が増えてきて、今月1日からは東京がGO TOトラベルの対象となった。旅行先でも基本的な感染防止対策を実践し体調が悪いと思われる方は無理をせずに安静にし、旅行する側、受け入れる側の双方で感染しない感染させないという意識と行動を徹底していただきたい」と呼びかけました。