景気ウォッチャー調査 5か月連続改善 感染拡大前の水準に回復

景気ウォッチャー調査 5か月連続改善 感染拡大前の水準に回復
働く人に景気の実感を尋ねる内閣府の調査で、先月の景気の現状を示す指数は49.3と5か月連続で改善し、指数は新型コロナウイルスの感染が拡大する前の水準まで回復しました。
内閣府の景気ウォッチャー調査は、小売店の従業員やタクシーの運転手など2000人余りを対象に、景気の実感を尋ねて数値化します。

先月の調査では、景気の現状を示す指数が49.3と前の月を5.4ポイント上回りました。

改善は5か月連続で、指数は新型コロナウイルスの影響で指数が悪化していく前のことし1月の41.9を上回り、おととし4月以来の高い水準となりました。

一方、2か月から3か月後の景気の先行きを示す指数は、前の月を5.9ポイント上回る48.3となりました。

今回の調査で、中国地方のレストランからは「6月と比べると来客数が微増している」とか、南関東のホテルからは「9月の4連休はほぼ満室で久しぶりに忙しかった。『Go Toトラベル』の影響で大幅に伸びている」といった声が寄せられました。

一方、東海地方のコンビニからは「新型コロナウイルスの影響も残る中で、たばこと第3のビールの値上げは大きな逆風で、10月からの売り上げ動向がとても心配だ」といった声も寄せられました。

内閣府は「新型コロナの影響による厳しさは残るものの、持ち直している。先行きについては、感染症の動向を懸念しつつも持ち直しが続くとみている」としています。

経済再生相「回復軌道に乗るよう全力」

内閣府の景気ウォッチャー調査で、景気の現状を示す指数が新型コロナウイルスの感染拡大前の水準まで改善したことについて、西村経済再生担当大臣は8日の記者会見で、「7月、8月は感染拡大の中で自粛ムードがあったが、その時に先送りしてきたものを消費する動きがあり、9月はすべての業種で上向いてきている」と述べました。

そのうえで、「景気ウォッチャー調査や民間の調査を見ても、『Go Toキャンペーン』に対する関係業界からの評価は高いものがあり、イベントや飲食、旅行を負担軽減しながら、消費喚起をしていければよい。経済がV字型に回復することは間違いないと思うが、このまま回復軌道に乗るように全力をあげていきたい」と述べました。