日本学術会議 昭和58年の政府答弁「形だけの任命をしていく」

日本学術会議 昭和58年の政府答弁「形だけの任命をしていく」
日本学術会議の会員は、昭和59年、法律の改正によって学者間での選挙で選ぶ方法から、研究分野ごとに候補者を推薦し、その推薦に基づいて総理大臣が任命するという形式に変わりました。

この改正案をめぐり、昭和58年11月に開かれた参議院文教委員会で、当時の総理府の総務長官は、「形だけの推薦制であって、学会のほうから推薦をしていただいた者は拒否はしない、そのとおりの形だけの任命をしていく」と答弁しています。

また、昭和58年5月に開かれた参議院文教委員会では、委員から「推薦された方を任命を拒否するなどということはないのか」と質問されたのに対し、当時の内閣官房総務審議官が、「実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右するということは考えておりません」と答弁しています。

そして、「従来の場合には選挙によっていたために、任命というのが必要がなかったのですが、こういう形の場合には形式的にはやむをえません。そういうことで任命制を置いておりますが、これが実質的なものだというふうには私ども理解しておりません」と答弁しています。

そのあと、当時の内閣官房参事官は、「210人の会員が推薦されてまいりまして、それをそのとおり内閣総理大臣が形式的な発令行為を行うというふうに、この条文を私どもは解釈をしております。この点につきましては、内閣法制局におきます法律案の審査のときにおきまして、十分その点は詰めたところでございます」と答弁しています。

そして、このあと答弁に立った当時の中曽根総理大臣は、日本学術会議について「独立性を重んじていくという政府の態度はいささかも変わるものではございません」と述べたうえで、「学問の自由ということは憲法でも保障しておるところでございまして、特に日本学術会議法にはそういう独立性を保障しておる条文もあるわけでございまして、そういう点については今後政府も特に留意してまいるつもりでございます」と述べています。