認知症 介護施設の面会制限や外出自粛で「悪化」半数が回答

認知症 介護施設の面会制限や外出自粛で「悪化」半数が回答
新型コロナウイルスの影響で介護施設での面会制限などが続く中、認知症の人の家族の半数近くが「症状が悪化するなど影響があった」と感じていることが、家族会などが行ったアンケートで分かりました。
このアンケートは公益社団法人「認知症の人と家族の会」などが9月インターネット上で実施しました。

この中で認知症の人の家族150人に、介護施設での面会制限や外出自粛の影響などについて尋ねたところ、半数近い72人が「症状が悪化するなど影響があった」と回答しました。

家族からは「外出や人との関わりが激減して症状が悪化した」とか「生活が変わったせいか、5月以降、目に見えて症状が進んだ」といった声が寄せられたということです。

また、面会が制限されていることについては「残された貴重な時間なのに一緒にいられない」とか「十分なみとりもできずに親が亡くなってしまったら悔やんでも悔やみきれない」などと緩和を求める声が目立ったということです。

調査をした「認知症の人と家族の会」などは7日、厚生労働省に対し、認知症の人への介護サービスを途切れさせず、感染予防策を徹底したうえで家族が病院や介護施設で面会できるよう支援してほしいなどと要望しました。

「できるだけ家族と会える体制を」

「認知症の人と家族の会」の鈴木森夫代表理事は介護施設や病院での面会制限について「緊急事態宣言が解除されて少し緩和されたものの、今も基本的には面会ができない状況が続いている。クラスターを防ぐためなのは理解しているが、できるだけ家族と会える体制をつくってほしい」と話しています。