沖縄知事 菅首相と初会談 振興予算や基地問題の協議の場要請

沖縄知事 菅首相と初会談 振興予算や基地問題の協議の場要請
菅総理大臣が就任後初めて、沖縄県の玉城知事と会談し、玉城知事は、沖縄振興予算への配慮や、アメリカ軍普天間基地の移設計画をめぐって、協議の場を設けることなどを要請しました。
菅総理大臣と沖縄県の玉城知事との初めての会談は7日午前、総理大臣官邸で、およそ5分間、行われました。

この中で、玉城知事は新型コロナウイルスの影響で、沖縄の経済が大きな打撃を受けていることを踏まえ、来年度の沖縄振興予算への配慮を求めました。

また、アメリカ軍普天間基地の移設計画をめぐって、対話による解決を目指したいとして、政府との協議の場を設けることなどを要請しました。

玉城知事によりますと、会談の中で菅総理大臣からは、しっかり連携していきたいという認識が示されたということです。

岸防衛相も沖縄 玉城知事と会談

岸防衛大臣は、就任後初めて沖縄県の玉城知事と会談し、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設工事の中止を求めた玉城知事に対し、引き続き、基地の返還に取り組む考えを伝え、移設への理解を求めました。

岸防衛大臣と沖縄県の玉城知事との会談は、防衛省でおよそ15分間行われました。

このなかで、玉城知事は、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設について、「辺野古への移設工事は行わず、基地を閉鎖し、返還することで、一日も早く危険性を除去してほしい」と述べ、移設工事の中止を求めました。

これに対し、岸大臣は、引き続き、普天間基地の返還に取り組む考えを伝え、政府が進めている辺野古への移設工事に理解を求めました。

会談を終えたあと、玉城知事は、記者団に対し、「近日中に、岸大臣が沖縄を訪れると聞いているので、その時には、もう少し丁寧に現状をお伝えしたい」と述べました。

官房長官「協議は既存の枠組みで」

アメリカ軍普天間基地の移設計画をめぐり、沖縄県の玉城知事が菅総理大臣に協議の場を設けるよう要請したことに関連し、加藤官房長官は、既存の枠組みを通じて県の意見を聞きながら、基地負担の軽減策を説明していく考えを示しました。

加藤官房長官は午後の記者会見で「政府と沖縄県との間では、すでに『普天間飛行場負担軽減推進会議』などの協議の枠組みがある。このような場も通じて沖縄県の考えを伺うとともに、基地負担軽減のための取り組みなどを丁寧に説明していきたい」と述べました。

そのうえで「普天間基地が固定化され、危険なまま置き去りにされることは、絶対に避けなければならない。辺野古移設を着実に進め、1日も早い全面返還を実現したいというのは変わらない姿勢だ」と述べました。

また、基地負担の軽減と沖縄振興について「重要な政策課題と位置づけ、総合的に取り組む必要がある」と述べ、河野沖縄・北方担当大臣とも連携して取り組んでいく考えを示しました。