1審で無罪判決も弁護側が2審で異例の「有罪」主張

1審で無罪判決も弁護側が2審で異例の「有罪」主張
k10012650441_202010061814_202010061837.mp4
おととし前橋市で、車で高校生2人をはね死傷させた罪に問われ、1審で無罪を言い渡された88歳の被告の2審が始まり、被告の弁護士が「本人が有罪を認めている」として1審の主張を一変させ、有罪とするよう求めました。
無罪判決を受けた被告の弁護士が2審で、こうした主張をするのは極めて異例です。
前橋市の川端清勝被告(88)は、おととし1月、自転車で登校途中の女子高校生2人を車ではねて、太田さくらさん(当時16)を死亡させ、もう1人にも大けがをさせたとして、過失運転致死傷の罪に問われています。

1審の前橋地方裁判所は「薬の副作用で血圧が下がったことが事故の原因の可能性が高く、予測できなかった」として無罪を言い渡し、検察が控訴しました。

6日、東京高等裁判所で2審の裁判が始まり、検察は「被告は以前から低血圧を自覚し、事故を予測できた。1審は誤った判断をしている」などと述べ、有罪とするよう求めました。

これについて意見を聞かれた被告の弁護士は「被告本人と面会した結果、有罪を認めていることは明らかだ」と述べ、1審の主張を一変させ、有罪とするよう求めました。

また、弁護士は「弁護士会から倫理違反を懸念されたが、本人の意思を確認している。88歳と高齢で余命も長くない。人生の最期を迎えるにあたり、罪を償い人生を終わらせたいと考えている」などと述べました。

無罪判決を受けた被告の弁護士が、2審で有罪を求めるのは極めて異例です。

2審の審理は6日で終わり、来月25日に判決が言い渡される予定です。

遺族「2審では残された家族の苦悩に向き合った判断を」

事故で亡くなった太田さくらさんの両親は「1審の無罪判決を聞いた時の衝撃や絶望、悔しい思いは今でも忘れられません。弁護士が有罪を主張する意味をどのように考えればいいのか分からず、戸惑っているというのが正直な気持ちです。2審では『運転すべきでない人が運転した』ことが問題であることを明らかにしたうえで、さくらの無念や苦しみ、残された家族の苦悩に向き合った判断をしていただきたい」というコメントを出しました。

また太田さくらさんの遺族は「有罪主張に至ったいきさつを弁護士から聞けたので、一定程度理解できました。いずれにしても、判決を待ちたいと考えています」というコメントを出しました。